表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
90/181

教会にてスコア確認

 和平調停の儀式をぶち壊した次の日の事。


 ダンケルク王国を除いた、その場にいた各国代表者たちを城へと招き、今度は対ダンケルク連合軍の設立を目指し始める。


 これがラックさんの言っていた「皆で仲良くしよう作戦」の第一段階である。

 敵を孤立させて、周囲を固めて包囲網を形成する。


 その為に、連合という新たな枠組みを作って参加を呼びかけている。


 ちなみに、シターニア大森林側は参加が既に決定しているらしい。それからエルタニアから見てダンケルクの反対側の諸王国だけど、そちらは「連合に参加するのはもっともだが、戦争をするのは気が早い」というのが本音のようだ。みんな、戦争はしたくないらしい。自分達に益の無い戦争ならばなおさらだ。



 でもラックさんの考えでは、後ろから襲われない保険が欲しいだけだから、別に参加表明してもらうだけでも良いらしいのだけど。



 とりあえず、今日の夕方に精霊騎士団の会議があるのだが、その前に確認したい事があった。



 当然、ランキングとスコアだ。


 ユキノの姿で教会に到着すると、さっそくその内容を確認した。



1位“救世主(メシア)”サイトー 人間 ★★☆

   レベル101 スコア 236,668



2位“∞”アンドロメダ オートマタ ★

   ランクS5  スコア 169,821



3位“無貌の白雪”スノー エルフ ★

   レベル66  スコア 154,472



4位“神の雷(ラミエル)”シグ オートマタ 

   ランクS3  スコア 153,974



5位“聖焔の戦姫”アリッサ 人間 ☆☆

   レベル69  スコア 149,628



6位“赤の竜騎士”(レッド・ドラグーン)竜田アゲイル 半魔人 ★

   レベル70  スコア 148,563



・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・



「よっしゃッ!」



 見事に返り咲けた。

 下がってしまっていた順位を一気に巻き返した。

 思わずガッツポーズを一人でしていた。



「凄いなぁ。二つ名が貰えるだけで、一度に三万点くらい貰えたんじゃあないのか?」

『ちなみに、どんな名前なのですか?』

「“無貌の白雪”だってよ」

『……ムボウですか。……確かに傍から見たら無謀でしたね』


 おいおい、そっちの無謀だと単なる阿呆じゃないか。

 でもまあ、アサシン系等で『顔無し』と評されるのは、結構な好評と受けていいのではないだろうか。


 それに暗殺者や忍者などのは機密性を重んじている性質上、本来は有名にはなれない。ホントに今回、大事に発展させなかったらスノーは二つ名をいつまで経っても手に入れることなんてできなかったかもしれない。


 ついでだが、あの時の一芝居でアゲイルにも異名が付いた。“赤の竜騎士”なんて、変に拗らせていないシンプルなのが逆に渋くていい。それをいうと、アンドロメダさんなんて一文字だけだし、割と神様(運営)のネーミングは雑なのかもしれない。しかもシグさんの異名、神の雷ならそこはトールじゃあないのか?



 ……とまあ、その辺の運営の匙加減は置いといて。


 個人的に気になるのはレベルの話題だろうか。

 順調に上昇させてきたけど、ちょっとだけ同期と比べて物足りないのが悔しい。


 と、いう話もしたいが、それよりもレベル上限の方が重要だ。

 


 どうやら上限値は100に留まらないらしい。いつの間にかメシアとまで神に呼ばれる存在となったサイトーさんは、仮定上限値であった百という区切を悠々と越えていたのである。本当にサイトーさんって何者なのだろうか。そしてどこで活動しているプレイヤーなのだろう。


 少なくともエルタニアのある大陸ではないだろう。全然、噂とか流れてこないし。


 それに外の大陸はこことは文明が全然違っていて、魔物の強さも段違いらしいし。そろそろ初心者地帯であるエルタニアから巣立ってもいいような気がする。ここの平野の魔物は雑魚のゴブリンしか居ないから、やっぱり初心者専用の場所ってイメージがある。



「なあ、スノー。この戦争が終わったらエルタニアの大陸から出て、別の大陸や地方を旅するかどうだ?」


『それはなかなか魅力的な提案ですね。しかし、そうなると王都の皆さんとは離れ離れになってしまうのでは?』


「別に今生の別れになる話でもないだろ。気が向いたらまた帰ってきたらいいし、ここは一つの拠点って奴だ。また戻ってきたらいいさ」


『それもそうですね』



 倉庫屋とか運送屋とか精霊騎士団とか、ここにはゲームをする上で大事な要素を多く作ってきた。むしろ二度と戻らないなんてただの縛りプレイだ。まあ、嫌いってワケじゃあないけど。



「さてと、スノー、そろそろ出ようか」

『それは構いませんが、出る前に用事のある方がいるみたいですよ?』


 それは誰の事だと言おうと思ったが、スノーの視線の先を見ればつい最近も見た彼女の姿があった。

 黒い大きな三角帽子を斜めに頭に乗せて、やる気のなさそうな顔をしたメロンソーダだ。今は空飛ぶ箒には乗っておらず、ちゃんと歩いて教会の中へと入ってきた。



「こんにちは、ころぽんさん、メロンソーダ」

『昨日はありがと、メロン』

『こんにちは、ゼタさん、ユキノさん。やはりスコアの確認にきてましたね』

『あーだるい……ココ雰囲気が嫌いなんですけどぉ』


 相変わらずの凹凸コンビだった。体型の話じゃなくて性格が対照的って意味だ。そもそも、ころぽんさんのリアルとか知らないし。


 するとスノーが重要の事を思い出したように、マントの内ポケットから拳大ほどよりもやや小さめの宝石を取り出してメロンソーダに手渡した。



『メロン、昨日はありがと。これはお礼の品』


『お? おっほーい! なにこれ魔宝石じゃーん! 太っ腹ぁ、流石ユキノはわかってるぅ!』


 先程まで枯れ果てそうだったメロンソーダの表情が一瞬で元気になった。まるでどこぞの小銭大好き忍者のタマゴの少年みたいな豹変っぷりだな。



「それで……ころぽんさん。何か用事があって来たんですよね?」

『ずっと聞こうと思ってたんですけど、ユキノさんってやっぱり、エルフ族トップランカーのスノーですよね?』

「はい、そうですよ」

『あ、あっさりばらしますね……』


 そりゃあ隠す気があまりなかったし、むしろ誰も聞いてこないのが不思議で仕方がなかったくらいだ。でもそこはあえて言わない。他の何かで誤魔化す。


「ころぽんさんには嘘は言いませんよ」


 とか平然と言っておく。嘘は吐いてないけど、変装して欺いてたのにね。


 ところで何で俺はわざわざ『ユキノ=スノー』という真実を隠していたんだっけ。あまり覚えてないなぁ。まあ、どうせ大した事でもないだろ。



「それはそうと、ころぽんさん。どうやって確証を得たんですか?」

『ええ? それはまあ、ランクスコアを気にしている人だったら、大概気付くものじゃないでしょうか? ユキノさんの戦闘力は他のプレイヤーと一線を画す物がありましたし、そもそもランキングにユキノなんてエルフは一人も居ませんし』

「一人も居ないんですか? それって、現在一万人を超えるプレイヤーの中からでも?」

『はい、そうですよ』


 すげーな。それだけの人数を一から調べるって、逆に至難だぞ。さすがデキる女、ころぽんさん。


『ちなみに検索はCtrl+Fでできますよ』

「え、なんですかその機能……」

『ページ内検索です。普段使いませんか?』

「さっぱりです」


 気になるのでやってみると、入力バーが出てきた。そこへ単語をいれると検索に引っかかった文字が黄色く塗られて、検索された文字へ飛べるようになった。こんな機能があるなんて知らなかったな。


「さすがころぽんさんです。御見それいたしました」

『大げさですね。それほど大した事ではないですよ。それに本当の確証を得られたのは、今回の件で依頼された闇魔法の依頼ですからね』


 そりゃそうだよな。あれほど協力させておいて、なにもわからないままで居るわけがない……って。しまった!


 そうだった。あの抜け策王子がまだ生きている事を知っているプレイヤーが、俺と小田以外にももう一人居ることを失念していた。


「ころぽんさん! 今回の死体の話は決して、誰にも言わないでください! というか、誰かに話しましたか!?」

『え? いえ、それはまだですけど?』

「ラックさんやアリッサにも絶対に秘密でお願いします! 他言、絶対に禁止です!」

『は、はぁ。何故かはよく知りませんが、わかりました』



 あぶねぇ。危うく忘れる所だった。今回はころぽんさんに救われたな。わざわざスノーの事を訪ねてきてくれて本当にありがとうございます。


 ……マジでころぽん教でも作るか。これはそれ程の事ですよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ