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ⅰ いつもと同じ日常を覆そうとする。

同時進行していきます。

最果ての結びも頑張りますのでよろしくお願いします。

P.S.皆さんおわかりかと思いますが、あらすじ思い付きませんでした。

 


 -ポタ…ポタ…と、水滴のぶつかる音が響いていた-



 先天性白皮症、というものをご存知だろうか。アルビノといえば、ピンとくる人もいるだろう。端的にいうと、体のあらゆる色素が薄い。厳密にいえば少し違うのだが、面倒だしいきなりすぎるので説明はやめておくとしよう。

 何故こんなことを尋ねたのか、理由は簡単である。私がこの奇病患者だからだ。今私がいる場所は、様々な病気の患者・障害者達が集まる私立橘学園の高等部。2年2組と書かれた札がついているドアを開ける。ただでさえ生徒が少ないのに、この時間とくれば人は一人しかいない。現在8:00。着くのが早かった。もっと寝ればよかった。

 下がりかけてた眼鏡をかけ直し、自分の机へと向かう。

「おはよう」

 爽やかな声が聞こえた。先程行った「一人」である。名前はわからない。覚えるのが面倒くさい。

「おはよー」

 我ながらのんびりした返事だ。ちょっと直したいなと思うところでもある。

「早いね。僕は妹の送り迎えがあるからだけど」

 うーん、と伸びをしながら彼は言う。この人は私の名前を知っているのだろうか。

「まあ今日は早く出ちゃっただけだけどねー。妹さん、目が悪いんだっけー?お疲れ様」

 名前知らなくても大体会話ってできるなって思った。


 結論をいうと、彼は私の名前をちゃんと覚えていた。申し訳ない。


 ×××


「じゃあ、ここの問題を…白石」

 アルビノで白石って苗字も皮肉な話だ。まったく。この苗字好きだけどね。

「はーい」

 黒板まで歩く途中、「頑張れっ」と小声で言われた。言ったのは紛れもない、彼である。結局名前は聞いてない。面倒くさいから。

 ニコッと笑いかけて、黒板の前に立つと、さらさらと回答を書く。あてられたのが数学でよかった。生物だったら終わっていた。

「ありがとう。正解だ」

 座った直後、私の書いた回答の上から黄色の綺麗な丸が描かれる。この先生の丸は好きだ。そして先生の名前も忘れた。それはさすがに苦笑。

 自分のノートにも丸をつけると、机の上にちょこんと紙が飛んできた。彼からだ。「ないす( ´∀`)」と書かれていた。字は丸文字。女子か。しかも顔文字。いや女子かって。

 端を見るとその下に名前があった。『Yugi』なるほど。彼は「ユウギ」というのか。ん?「ユギ」じゃないよね。変だもんね。全国のユギさんごめんなさい。

「ありがとー」と書いて渡す。名前はもちろん書いた。『Shiraishi』と。i多すぎだなこの名前。


 チャイムが鳴る。いつの間にか授業が終わっていたようだ。手紙を回すのはよくないと思ったのか、ユウギからの返事はなかった。自分の机を見ると、ミミズのような文字が書かれたノートがある。どうやら寝落ちしていたようだ。どうしよう。頼れる友達なんていない。ちょっと、誰だよ今寂しいやつって言ったの。

 口を尖らせて悩んでいると、ユウギがとことこ歩いてきた。

「どうしたの?白石さん」

 そうだ、この人がいたではないか。

「私眠くて、後半ノートとってなくってさー。見せてくれないかい?」

 手を合わせて拝む。すると、人差し指と親指をくっつけてOKの形を作った。本日三度目、女子か。

「僕の文字、見にくいかもしれないけど、いいかな?」

 さっきので慣れたから大丈夫、とは言わないけども。

「大丈夫だよー。ありがとー」

 間延びした声で礼をいい、ノートを受けとる。

 そのノートの色、ピンク色でした。桜も描かれてました。

 本日四度目となる。女子か。

次回の投稿はかなり後になるかと思います。

なるべく最果ての結びを進めたいので。


追伸:学校名修正しました。

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