ケルトなハロウィン
キリスト教が入ってくるずっと前、死者は墓場で復活の日を待つのではなく、死後の世界に迎え入れられ年に一度里帰りして来ると考えられておりました。日本のお盆みたいですね。
日本のお盆にも『地獄の釜の蓋が開く』なんて表現がありますが、ケルトのお盆でも先祖の霊と一緒に妖精達も飛び出してきます。日本語で妖精なんて言うとかわいらしく聞こえるけれど、ピクシーやコボルト、ドワーフなんかも妖精のくくりです。
イタズラとしては『妖精の取り替えっ子』が有名ですね。ただし、親としてはたまったもんじゃありません。ほかにも家畜にイタズラしたり新しい物と古い物を入れ換えたり。
まあ人間側も、逆手にとってわざと古い履き物を戸外に出して置いて新品にしてもらう、なんて昔話もありますが。
しかし基本はきっちり戸締まり屋内に妖精達が入りこまないように気をつけておりました。
けれど時代が進むにつれ、夜は家に閉じこもっていればいいじゃない、という訳にもいかなくなってゆきます。だけどやっぱり妖精達に遭遇したらどうしよう。
そこで妖精の格好を真似する事にしました。ある意味純粋で単純で難しい事考えない彼らは、
「仲間だよ。イタズラしないで」
と言えば、
「おう!仲間!お前も楽しめよ!」
とスルーしてくれるのです。
こうして、ハロウィンの魔除けとして仮装が広まってゆきました。