魔法のチュートリアル?
「急に家に呼んだりして、ごめんね?」
「……いえ。」
クルミに連れられて、クルミの家にきた優希だったが、実は緊張しているために言葉が出てこなかったのである。
「いきなりで悪いんだけど、魔法の使い方がわからないって言うのはどういうこと?」
「……それは、その……」
まさか、チュートリアルが雑で知識がないことは言えないので、必死にごまかそうとする優希だったが言い訳が思い付かず黙りこんでしまった。
クルミは何か聞いてはいけないことを聞いたのではと思い、
話をそらそうと決めた。
「まあ、それはいいとして、私が魔法の使い方教えよっか?」
「え?いいんですか?」
「ええ、それも冒険家の務めだから、ね?」
「ありがとうございます。お願いします。」
クルミは優希の態度を見て詳しい話を聞くのはやめておいて正解だと思った。
「ユキちゃんの適性属性は何なの?」
「ボクの適性属性は水と雷みたいです。」
「すごーい!ダブルなんだ!!」
「ダ、ダブル?」
クルミの豹変ぶりに若干引きつつ聞いた優希だった。
そんな優希の態度をみて、クルミはコホンと咳をして真剣な顔をしたのだった。
「ダブルって言うのは適性属性を2つ持つ人のことよ。ダブルの人は1~2万人に1人と言われているわ。」
「えっと、適性属性3つ持ってる人はいるんですか?」
「ええ、いるわよ。世界に50人しかいないけどね。」
「ご、50人ですか……」
「世界の全人口は5000万人って言われてるから、ダブルも3000人くらいしかいないんだけどね。」
「…………。」
いきなりそんなこと言われても実感わかないと思うけどね。と
クルミが笑ってくれたので落ち着くことができた優希だった。
「とりあえず、魔法の使い方教えるわね。」
「はい!お願いします!」
「まず魔法を作るときにはイメージが大切よ!」
「つ、作るですか?」
「ええ、魔法を使うためには4つのステップをクリアーしないといけないの。」
「……4ステップですか。」
「ええ、はじめにどんな魔法になるかイメージして、 次に名前を決めて、魔力をこめて威力を調整して、最後に名前を唱えれば発動するわ。」
「名前を決めるところまではわかったんですけど、魔力をこめるってどうやればいいんですか?」
「そこは練習しないとなかなかうまくいかないわ、まあ、魔法の発動に必要な魔力は勝手に持っていかれるから発動しないってことはないわ。」
「……そうなんですか。」
「ええ、そんなに緊張しなくても練習すればできるようになるわ。早速やってみよっか、ついてきて。」
そういって、クルミは優希を連れて外に出ていったのでした。
次話は夜には投稿します。
しばらくは1日に2話投稿していきたいと思います。
楽しみにお待ちください。