表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
影と呼ばれた男  作者:
第1章 出会い
2/18

浩介 1

仮に 水戸 浩介 とこの男を呼ぼう。


 母が亡くなってから・・・1年後・・・


 浩介は「人,星,地,天」の神殿のうち,家からそんなに遠くなかった天の神殿で暮らしていた。ここでの暮らしも悪くない。母親はすでにいないし,父親も近くにいないが,時々は会いに来てくれる。食べ物も美味しいし,何より一人じゃない。


 浩介は,神殿の中で今日も他の小さい子ども達と遊んでいた。

 鬼ごっこ・・・ボール遊び・・・たわいもない遊びだが,みんな真剣に遊ぶのだ。遊びの時間は決められていて,それ以外は祈りと勉強の時間だ。だから子ども達にとっては,少ない遊びの時間は本当に貴重だった。


周りの子ども達は,親が早くに亡くなってしまい,育てる人がいない,またはいても,浩介のように,忙しくて家に帰ってこられないなどの事情で預けられている者ばかりだった。だからなのか,みんな驚くほど仲が良かった。ここで仲良くしなければひとりぼっちだ。ひとりぼっちは嫌だ。おそらくみんなそう思っていたのに違いない。


 そんな中,浩介はいつものように鬼ごっこに興じていたのだが・・

「浩介君。」

神官の一人に呼ばれた浩介は,渋々遊びをやめて側に行った。そこで6歳になったばかりの浩介が聞かされたのは,父親の訃報だった。


 呆然としてただただ立ち尽くすばかりの,まだ6歳の子どもには,死因も,どこで亡くなったのかもはっきり知らせてもらえなかった。

 ただ,もう葬式は済んだということ,浩介には全く身寄りがいなくなったことを知らされただけだった。

 そして神官は,浩介に父の形見を渡してこう言った。

「これから君はこの神殿を出ることになる。

心配するな。お父上の上司の方が君を引き取ってくださるそうだ。

そこで,幸せになるんだよ。」


神官は,浩介に荷物をまとめるために部屋に行くように言った。

 のろのろと部屋に向かいながら,・・・でも・・浩介はどうしていいか分からなかった。


 部屋の中に入ったとたん座り込んでしまった浩介・・・

・・・涙も出ない・・・悲しいと言うより途方に暮れている・・そんな感じだったのに違いない。


・・・どのくらいぼんやり座っていただろう。不意に4人部屋の戸が開き,一人の男が入ってきた。誰だ?


入ってきたのは灰色の髪,鋭い目つき,がっちりした体つきの男だった。


これが浩介と養父になる局長との出会いだった。

次回は明日です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ