悪魔の所業
悪魔には血も涙も無いと聞いていたけど本当にそうだと実感したのはコイツに出会ったからだ!
「やっはろー!元気無いジャン♪太股で顔を挟んであげようか?」
全体的にかなり細目の体型にして長身の金髪美女…一昨日の夜、雨の中公園のベンチで寝てる彼女に声をかけてから僕にまとわり憑いている悪魔。小石川 櫻 。
「櫻さん。そろそろ帰って貰えませんか?」
一昨日からの雨は昨日の昼前にはすっかり上がって爽やかなくらいの快晴が今日も続いていた。
「それは無理だよ!こっちには一宿一飯の恩義ってのがあるからね!」
「別にたいした事してませんから、お構い無く!」
「あんな旨い食事は久々だったよ♪何時もはコンビニでカレーパン買ってベンチで子供の遊ぶ姿を観ながらため息混じりに食べて…」
「リストラを家族に言えないサラリーマンですか!」
じとーっと見てくる櫻。
「孝太は本当に悪魔だな!」
えぇ~櫻には言われたくない台詞だな…
「お兄ちゃん誰かいるの?」
うわっ小雛に気付かれちゃつた。
小雛とは兄妹ではあるが血は繋がってはいない。
彼女の本当の父親は俺の親父の親友だったらしい。ある日、小雛を家に預けて彼女の両親二人は仕事で海外へ行く途中飛行機事故にあい。一夜にして幼い少女は天涯孤独の身になってしまったのだ。
そして、そのまま小雛は俺の義妹になった。
ただ血が繋がっていない事実以上に俺の大切な妹として接してきたから小雛の精神的ショックは少なく済んだと…今でも思っている。
「お兄ちゃん~開けますよ~開けちゃいますよ~開けちゃいましたよ~♪」
襖を開けて入ってくる小雛は派手な服装さえしなければ大和撫子と言われてもおかしくない綺麗な黒髪に白い肌。文武両道。眉目秀麗。そんな彼女の服装は、肩口が大きく開いた上着からはブラの紐が見えていて少し屈んだだけで中のブラが見えてしまう。黒のミニスカートからは健康的な脚がゆっくり伸びている。
しかも、ここ数年の小雛の成長は恐ろしいもので俺の理性を応援しないと不味いことになるくらい色気が出てきた。
「また小雛はそんな格好をして…」
「お兄ちゃん、私の色気でのーさつされちゃつた?」
胸元を見える様に上着を引っ張るな!
昼飯後の一家団欒。
「小雛ちゃん余り兄だからって孝太を甘やかさないでね」
「大丈夫ですよ義母さん。お兄ちゃんは私にメロメロですから♪」
「じゃあ小雛ちゃん孝太を宜しくね。」
俺の居ない間に将来設計が勝手に構築されている。事後承諾や事後処理ではなく確定時孝だった。
「それと孝太。まだ学生なんだから小雛ちゃんが許しても避妊はしなさい!それに小雛ちゃんも声は控え目にね?」
「義母さんったら…」
俺…一人で寝てるよ?着衣の乱れだってないし。
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「それは災難だったな。孝太が寝てる時は誰も部屋に来てなかったぞ」
ゲラゲラ笑って涙目で答える櫻。
「じゃあ何で小雛はあんなこと話したんだ?」
「乙女心と言いたいけど…孝太の外堀は埋め立てられたみたいだね。小雛とやらは中々の策士だな」
でもまんざらでも無いんだろ?そう櫻は付け足した。
「まあ、小雛が義妹じゃなかったらって思う時はあるよ…」
「じゃあその願いを叶えてあげるよ♪これで恩義修了でいいよね!」
櫻が出て行く理由が出来て良かったよ。
「義妹じゃ無くなるって…小雛はどうなるんだ?」
「小雛ちゃんは存在するし、記憶が変化をするわけじゃないよ。ただ周りの環境は彼女を孝太の義妹と認識しない。もちろん小雛もね。」
そんな訳だから一晩待てと櫻は言った。
とはいえ、人間大きな変化をする時は寂しくなるものだ。
小雛の部屋の前で声を掛ける。
「小雛。居るか?」
中からは返事が無かった。もう一度ノックだけしたが中から返事は無った。
「なあに。お兄ちゃん?」
後から声がした。小雛だ。
「少し話す時間はあるか?」
「私の残りの人生分くらいしか時間がないわ」
そう残念そうな顔をして、ため息をつく。
いや、そんなに時間掛からないから。
「とりあえず、部屋で話そうか。」
「お兄ちゃんいらっしゃい。」
小雛の部屋に迎え入れられた俺は同じ部屋の造りなのに広く感じるし。匂いも違う。
「こんなのしか無いけどごめんね。」
「お構い無く。」
そう用意してきたのは紙とペンと朱肉だった。
茶色の縁の紙。そこには小雛の名前と捺印はすんであった。
『婚姻届』
「…小雛。何の冗談だ?」
「お兄ちゃん、これを見てもまだ冗談と言えますか?」
二枚の戸籍謄本。
一つは俺の。
もう一つは小雛の物だった。
小雛は義理の妹でも無かった。同居人の女の子。
マジか~!
えっえっ?小雛を義妹だと思ってたのは俺だけだったのか?
じゃあ櫻との約束はどうなる?
《あらら~気付いちゃったネ!でも、契約は済んでるから今夜零時には義理の妹は居なくなるわよ♪》
「どうしたの?お兄ちゃん。」
小雛の顔が直ぐ近くにあった。妹が直ぐに消えてしまうかと思い…ただ抱き締めた。
時計を探す…
時計を探す…
時計を探す…
時計を
探す…
時計
を
探す…
「小雛。時計は?」
「今は22:30だよ。どうしたの?」
小雛に背中を撫でられて俺は少しづつ正気を取り戻してきた。
深く息をつくと小雛に話かけた。
「信じられないかも知れないが笑わないで聞いて欲しい。」
「お兄ちゃんの話ならクトゥルー神話からお兄ちゃんの10才の誕生日の夜の夜尿症も事実と受け止めるわ」
深き者とおねしょを一緒にしないで欲しい…それと夜尿症の記憶は無くして下さい。お願いします。
「俺…悪魔と取引してしまったんだ…」
「お兄ちゃんは何を願ったのですか?」
「それは、」
「それは?」
……………
………
……
…
「お兄ちゃん。キスしますよ?」
「分かった!話す。話すから唇を尖らせるな!」
「正直に話せばご褒美ですよ。」
………………
……
「お兄ちゃん…目を積むって、舌を出せ!」
「…悪魔にさ。小雛をね?」
「わたしが?」
「小雛を義妹じゃ無くすようにね?」
「…つまり、私を妹から奴隷にしてゆくゆくは肉●器にしたいってお願いなのね?」
「言ってる事は大差ないけどルビと漢字が違うぞ!」
「お兄ちゃんが言ってくれるなら今直ぐに青姦したいわ」
「小雛の乙女はどこに行った?」
「私の処女はお兄ちゃんの物よ!」
《さあ。時間だ!》
「待ってくれ!櫻。」
「…お兄ちゃん…何?これ…わたし、輝いてる♪」
確かに、白く光ってるけど…恐怖心は無いのですか?義妹にしとくには勿体ないほどの漢っぷりですね。
部屋が白く染まるのを確認すると僕の意識は途切れた。
これが義妹との最後の会話だとすると残念すぎる。
もっと話したかったな…
気が付くと小雛を抱き締めたまま寝ていたらしい。
「小雛…?」
「孝太は甘えん坊さんだね。」
チュッ☆
朝食を取りにキッチンへ向かう。
「孝太。日曜日だからって何時までも寝てないで小雛を何処かに連れて行きなさい!」
え?
それから朝食を簡単に済ませると小雛を連れて街中歩くが、共通の知り合いから俺の友達までの話は
小雛は義理の姉なんだそうだ。
悪魔は確かに、妹では無くしてくれたが…
その上に、姉にするとは思わなかった。
まあ、この程度で済んだなら良しとしよう。
「「ただいま。」」
小雛と家に帰ると、目の前にスレンダーボディの少女が立っていた。
「お帰りなさい。お兄ちゃん。お姉さん。」
「櫻ただいま。」
小雛は何事も無かったように入っていった。
「櫻…なんで?」
「いやだな★小雛さんは義理の妹じゃなくなったでしょ?」
「そうだけど…」
「だから、今度は小雛さんと櫻を選ぶ世界にしちゃいました♪」
「この悪魔め!」
「誉めないで下さい、てへ♪」




