EP15『未来の心境』
15『未来の心境』
私が彼に恋をしたのは必然だったのかもしれない。私たちはクラスメイト全員が物心ついた時から一緒にいる。幼少期は一緒にお風呂にも入っていた。今思うと恥ずかしすぎて死にたくなる。
最初、彼のことはアンドロイドみたいな人だと思っていた。寮にいるときも体育の時も勉強していたから。体育をサボってるという意味では不真面目なのかもしれない。担任のカルネ先生が適当すぎるのが悪いよね。にしても零ちゃんに甘すぎると思うけど。
みんなは彼を「天才」だなんてもてはやすけど、彼の裏にある努力を私はしっかり見てきたつもりだ。それでも、時々わからなくなることがある。彼が一体何を考えているのか。
元から感じていた違和感の正体。それは未来を読んでいるかのような超常性にあるのだと。
簡単に言えば人間業じゃない。いい意味で思考回路が読めない。もはやそういうカースなんじゃないかと疑うほどだ。でも看守の人達は【劣弱】とか言って馬鹿にしてる。本人ですら自虐する有り様だ。かわいそう。
この監獄を出る前に、この胸に秘めた想いを伝えたい。そのためには、私が彼の隣に立てるくらい、立派な女にならなくちゃ。
彼は、空が見たいと言っていた。透き通るような青空を。彼の隣に立てるのは、綺麗な青空を見せてあげられる人だと勝手に思っている。
そのために脱獄するんだ。とりあえず、明日はトリネコ看守の捕獲作成だ。私は非常事態の時に出るピンチヒッター的な役割らしい。不安だけど零ちゃんに従ってたら何とかなるはず。がんばろう!




