EP8『戦果』
8『戦果』
校庭では未来がヒサメ看守を抱えている。
「ヒサメを離せ」
「条件を飲んでくれたらいいぞ」
「ふざけるな。どの立場で言ってる」
「それ以上喋ったら大事な妹の命は無い」
「お前……看守を舐めるな!!」
「爆発魔法:【インフェルノブラスト】!!」
辺りを途轍もない熱気が包む。そして、零はニヤリと微笑む。
「未来、あれを頼む」
「わかった。カース:温度【絶対零度】」
「篝看守、化学はお好きですか?」
「何言ってんだこんな時に……」
「その炎と彼女の氷が交わったとき、水蒸気爆発が起こり、妹も監獄も、ましてや俺達も吹き飛ぶ」
「そんなのハッタリだ!」
「先程看守室の床を爆破したのは超小規模の水蒸気爆発です。それでも信じられないのですか?」
「クソッ……お前らなんかに……」
篝が炎を司った右腕を振り上げたのと同時に、星が後ろから切りかかる。
「ガアッ!?」
「さてと、こいつも人質にするか……」
すると、遠くから岩が飛んできた。
「危ない!!」
星が剣で撃ち落とす。
「いやー長らく脱獄なんて起きていなかったからねぇ。完全に油断したよ」
「お前は……」
その顔を見たとき、零はハッとした。こいつは資料に載っていない。即ち、看守長だ。
「おやおやこれは看守長様……。まさかお目にかかれる日が来ようとは夢にも思いませんでした」
「そのようだな、劣弱。さて、弱者の君は何がお望みだ?」
「監獄の鍵を頂くとしましょう。さもなければ……」
「全員爆破するんだろ?」
「わかってるじゃないですか。なら早く……」
「私は一向に構わない。困るのは君達さ」
「ほう?というと?」
「まだわからないか天才。所詮ガキだな。大人の厳しさを知らない」
「カルネ主任看守に唆されたのかな?」
「……まさか!?裏切ったのか、カルネ!?」
「正確にはちょっと違う。裏切ったのは彼だよ」
「叢雲……魁斗!?なんでお前が……」
「彼は看守側のスパイだ。君達を見張っていたんだよ」
「残念でしたーwww」
「ちなみに、カルネも失望してたさ……期待されていたのにね」
「違う、俺は……」
「もういいよ!……もういいよ零ちゃん。負けたんだよ、私達は……」
「ただ、お前は腐っても”劣弱の天才”と呼ばれるだけのことはあるんだ」
「何をする気だ、独房か?それとも懲罰房か?」
「出番だよ、トリネコ」
「はぁーい。待ってましたー」
トリネコ……その名前を聞いて悪寒が走る。
「まずい、こいつの魔法は……逃げろ、星、未来!」
その時、零の目には、そそくさとトリネコから離れていく看守長が映った。
「服従魔法:【ハートチェーン】♡」
零は二人を突き飛ばした。自らの犠牲を厭わずに……。
第一次脱獄戦争、結果
首謀者:B組
断罪者:篝・トリネコ
概要:灯火 零【行方不明】




