あらすじ
30xx年、異世界から侵攻してきた「ウィザーギウス」によって、地球は敗北した。
彼らの軍事力は地球を遥かに凌駕していた――そう記されることが多い。だが実際には、技術力そのものは地球文明のほうが優れていた。
それでも人類は敗れた。
理由はただ一つ。
異世界には、「魔法」が存在していたからだ。
文明と技術の世界である地球に対し、異世界ウィザーギウスは魔法と英知の世界だった。
銃弾も兵器も、理に従って撃ち、破壊する。しかし魔法は理を歪める。因果を踏み越え、結果だけをもたらす力だった。
敗北した地球は植民地とされ、生き残った地球人は異世界人の支配下に置かれた。
各地に築かれた監獄で、彼らは奴隷として生きることを強いられる。
――それから五百年。
35xx年。
あまりにも長く続いた惨状を前に、神はついに介入した。
ただし、それは救済でも祝福でもない。
神が地球人に与えた力は、異世界人から【カース】と呼ばれた。
それは代償と引き換えに、世界の理へ干渉する力だった。
やがて一人の地球人がその力を振るい、植民地と化した地球の一部をウィザーギウスから奪還する。
彼は後に「オリジン」と呼ばれ、その戦いは「オリジンの伝説」として語り継がれることになる。
もはや地球人を地球人と呼ぶ者はいなかった。
異世界人――またの名をギウス人は、畏怖と皮肉を込めて、地球人を「カース人」と呼ぶようになった。
そして、オリジンは忽然と姿を消した。
伝説だけを残して。
――36xx年。
母国語を「日本語」とするこの地で、
かつての革命者に連なる、二人目の革命者が生まれる。
それが希望となるのか、
あるいは、さらなる破滅となるのか――
この時点では、まだ誰も知らない。




