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第5話 情報収集


まず掴むべきは、

ギルドに向かう前、最中のアリシアの動向。


それを知るにも、先ずは聞き込みだ。


アリシアの服装は他の人達と比べても、

繕いが細かく、どこか高価そうな雰囲気があった。

見た目もワンショルダーで、色合いも薄桃色に白、

これはどちらも目立つ要素の1つだ。


この服装なら、見た者の記憶にも残りやすいはず。

大丈夫…。きっと目撃者はいる!


まず最初に聞き込みを入れる場所は、俺とアリシアが

最初に出会った場所、あの商店街通りからだ…!



行き先を決めたトオルは、

内なる強き決心を胸の中に静かに抱きながら、

聞き込みをしに、その足を商店街へと運ばせる。



※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 

スロット1にセーブしてから3時間25分経過。

日時:聖星暦(せいしょうれき)4012年5月8日18時3分12秒



着いた、始めてアリシアと出会った商店街通り。

日が暮れ始めてはいるが、人通りは減っていない。

これなら…いける!



トオルはまず最初に目に入った、屋台の店主に声をかける。


「あの、すみません。ちょっといいですか?」


「お?いらっしゃいっ!

 あんちゃん、どれを買っていってくれるんだい?

 今ならいつもの2割引でチルドルが食えるぜ!」


「あっ、すみません…!

 チルドル?を買いに来たわけじゃなくて…」


「おっ?あんちゃんチルドル買わんのかい…?

 ははぁ~ん、さてはあんちゃん客じゃねぇな?

 客じゃないならなら帰った帰った!営業妨害だ。」


「待ってください!すぐ済みます!

 2時間くらい前に、片方の肩が出たオシャレな薄桃色と

 白色の服をきた金髪の女性を見ませんでしたか?」


「はぁ?そんなの見てても覚えてねぇよ!

 ここをどれだけの人が通ると思ってるんだ?

 さぁ帰った帰った! こっちはただでさえさっきの

 騒ぎで商売上がったりなんだよ!ッたくよ!」


「あっあのすみませんちょっと…!

 アリシアフォールンって名前の女性です!

 聞いたこととかありませんか?!

 知っていたら教えてください!緊急なんです!」


「んぁあ?ッたくあんたもしつこい……ん……?

 待て…あんちゃん今なんていった。

 ()()()()()()()()()って言ったのか?金髪の女性の?」


「は…はい!!そうです!何か知って―――」


「はぁぁー!!なんだよぉ!!

 あんたアリシアちゃんの知り合いかい!!

 そういうことはさっさと言いやがれあんちゃん!

 ハハハハ!」



俺がそう言い終わる前に、

店主は先程までとは打って変わって明るい態度に

なりながら、食い気味で話を割って入ってきた。



「は…はい…。

 あっ…んで何か知ってるんで―――」


「知ってるってもんじゃないよぉ!!!

 アリシアちゃんには商売において色々お世話に

 なってるってわけ!!

 このチルドルもアリシアちゃんの発案なんだぜ?!

 マジ稼がせて貰ってるぜぇ!感謝感謝だなっ!!

 ハハハハ!」


テンション高いなこのおっさん…。


「まぁ…はい…。

 んでその彼女が2時間前くらいにこの辺にいたか

 知りたいんですけど、何か知ってますか?

 見てない場合でも、何か居場所の手がかりになりそう

 なことがあれば教えてください…!

 例えば、

 よく行く場所であったり…何でも良いんです…!」


こういう聞き方をしとけば、

例えば、時間が押していた理由が寄り道だった場合、

立ち寄りそうな場所が分かって今後の役に立つ。


「いやぁ〜、そう言われてもなぁ〜、

 数絞れねぇなぁ…!!」


「…?どういう意味ですか?」


「どういうって、あんちゃんもアリシアちゃんの

 知り合いなら知ってんだろぉ?」


「いや、何のことですか…?」


「はぁ?!知らない?!まさかおバカさんかぁ?

 ここら一体の、商人ギルドに登録している店屋は

 みんな、フォールン家の許可を得て商売してんだぜぇ?

 それを知らないぃ?」


「そうだったんですか?!」


どうりであの服装、豪華だったわけだ…。


「おうともよ!

 しかもフォールン家は他の商売元と違って

 仁義に熱くてなぁ!!


 しかもこの地域の売上、フォールン家が管理する

 ようになってから売上が根こそぎ上がったんだぜ!

 だからみーーんな、ここらで商いしてる奴らは

 感謝してるってわけだ!! ハハハハハ!」


「なるほど…」


でもそうなると、逆にどこにいたか特定するのは

難しいかもな…。


「そういやアリシアちゃん、今日は焦った様子で

 どこかに向かってたなぁ…!!

 元気なこって何よりだな!


 まぁ、あんちゃん!!

 アリシアちゃんを探すのは諦めなっ!!

 あの子はじっとしてるの苦手なタチだから、

 もうとっくに、ここらには居ないと思うぜ!!」


「…………………はい?!

 ここ!?ここの目の前通ったんですか?!

 さっきは知らないって言ったじゃないですか!」


「んなぁこと言われてもなぁ…!!

 そん時聞かれたときゃあ、アリシアちゃんだって

 知らんかったしなぁ…!まぁ堪忍してくれや!!」


やったぞ…!!

これならいける…!!


ロード後にこの店の前付近で待っていれば、

必ず彼女と合流できる…!!

最初の聞き込みした相手でここまでのことが分かるとは…!


大当たりだった…!!


「おっさん!ありがとう!良いことが知れた!」


「ん?なんかわかったのかいあんちゃん?

 まぁ分かったなら良かったや!


 んじゃ、今度はそのお礼と兼ねて、

 客として金落としてけよぉ!!」


「はい!必ず!ありがとうございました!!」





店主にお礼を言い終わった後、

トオルは覚悟を決め、再び最初の(トキ)へと戻るべく、

ロードを行うのであった。




5話の最後まで読んでいただきありがとうございます!


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