笹はさらさら 水面はきらきら
今日は七夕の節句
七夕の節句は、古来中国より伝わった厄払いの伝統行事「五節句」の中の一つです。
五節句とは、人日、上巳、端午、七夕、重陽を指します。
最初にご紹介しましたが、今日は、七夕の節句です。
ではどうして日本では七夕というのでしょうか。
七夕がたなばたと呼ばれるようになった由来は所説あるそうですが、そのうちの一つに、
日本の古い風習「棚機津女」からくるもの、とされたものがあります。
棚機津女の風習とは、天から降りてくる神様に捧げるため、穢れを知らない女性が「棚造りの小屋」に籠り、俗世から離れて織物を織り、神を迎え入れる風習と言われています。(この風習の内容も所説あります)
この棚機津女の風習と、織物の上手な織姫の説話が習合して、七夕の節句のことを「たなばた」と呼ぶようになった、ということです。
七夕では、他にも笹の葉に願い事を書いた短冊を吊るすと願いが叶う、なんて話もあります。
この短冊は五色あることをご存じでしょうか。
これは端午の節句などでも用いられますが、古来中国の陰陽五行に通じ、世界は五つの元素で出来ていて、それぞれの色はその五元素を現している、というものです。
端午の節句だと、飾り物に五色の糸が用いられたりします。
短冊を吊るす植物の笹ですが、これは元々は短冊を吊るすためのものではありませんでした。
元々「笹の葉」は、神様へのお供え物を包むために利用されており、笹の葉の持つ抗菌作用がお供えものを包むのに適していたため、七夕に笹の葉が用いられたとされています。
また、織姫と彦星の説話にちなんで、笹の葉の擦れる音が、川のせせらぎの音のように聞こえ、天の川の二人に届きますように、という願いを込めて、笹に願いを吊るす、とも言います。
願いを吊るした笹の葉は、最後は川に流す風習もあるそうで、七夕の風習はいずれも、川に所縁あるものが多いですね。
七夕の日は晴天でなければ、天の川の水かさが増して、織姫と彦星は会うことが出来ない、なんて話もあります。
今年はどうでしょうか。
ぜひ、七夕の夜には天の川が空に瞬いているか、夜空を見上げてみてください。
今回のフィクション部分は、
「短冊を吊るす植物として竹が選ばれる謂れの一つ、
笹の葉の擦れる音が、
川のせせらぎの音のように聞こえるから」
でした。
ですが、これまで同様、
わたしが調査しきれなかっただけで、
実は諸説の中の1つである可能性もあります。
その場合は嘘から出た誠、
ということでご了承ください。