勇者育成計画(会議)
本日3話目の投稿。短めです。
勇者のランクが5。
俺は計測不能で最低でもランク100。
勇者の弱さが明らかになったところで、勇者の育成方法を考えなければいけない。
何せその差二十倍、聖剣の性能でバフ、デバフを合わせておよそ二倍強くなるとしても、最低でも後十倍は強くなってもらわないといけない。
レベルを上げるというのなら適当な相手と戦わせていれば少しずつは強くはなるだろう。
どこかにほたって気長に待てばいい。
だが気長に待つ気など更々ない。
問題はどの方法が一番効率がいいのか、だ。
手っ取り早くランクをあげる方法はないのだろうか。
どこぞやの戦闘民族のように、死ぬ直前まで痛めつけてから回復させれば強くなったりしないのかなぁ?
いっそ、殺して生き返えらせるを死ぬほど繰り返すとか?
初心にかえって重りでも付けさせて鍛えるとか?
あっ、案外いいかも。
全部試してみるかなぁ。
うーん。
「ございますよ」
ん? 何が?
「すぐにランクをあげる方法です」
頭の中で考えていると思ったら全て声に出ていたらしい。
目の前で控えていた悪魔リーダーが独り言に対して答えてくれたみたいだ。
恥ずっ。
「人族のランクを簡単にあげるのでしたら魔物にしてしまえばいいのです」
ちょいちょいちょい。
あんたいきなり何を言い出すの?
あかんやろ、人を魔物にしたらあかんやろ。
こともなげに、どう考えてもあかんことを言いはじめるイケメンリーダー。
でも一応聞いとくか。
「勇者を魔物にする、本当に可能なのか?」
「ランクが高い魔族がおこなえば可能です」
怪しい薬でも使うのだろうか?
こいつのことだ。薬程度だとかわいいかもしれん。
ここで詳しい方法を聞くとおそらくダメなやつだ。
確実に人体実験がはじまってしまう。
方法は聞かずにスルーすることを選択。
というよりは、
「勇者を魔物にしたとして、俺を討伐することは可能なのか?」
「無理でございます」
「無理なんかいっ!」
かつて無いほどキレッキレのツッコミが飛び出した。
前世を含めて過去最速だ。
かなり喰い気味にツッコんでしまった。
そしてなぜかツッコまれたイケメンリーダーは嬉しそうにキラキラを溢れさせている。
「そもそも魔王様は不死でございますので、どう足掻いても魔物如きに勝ち目はございません」
「ふぁっ!?」
満面の笑みで恐ろしいこと言いやがった。
そして新事実発覚!
俺って不死だったのね。
ありがちな設定ではあるけど不死なのね。
「不死の魔王様を倒すには聖剣を使う以外にないのです」
「魔物化させた勇者に聖剣使わせれば?」
「魔物に聖剣はあつかえません」
なるほど勇者を魔物にすれば手っ取り早くランクは上げられるが聖剣は使えなくなるため不死の俺に止めをさせないと。
って駄目やん、まったく意味ないやん!
やっぱ地道にランク上げてもらうしかないのかぁ。
「勇者のランクを上げるのに適したいい場所はないのか?」
「それでしたらウルカラン大陸の東側がよろしいかと」
人族大陸の東か。
試しにそこに勇者を連れて行って鍛えるとしようか。
「そこになにかあるのか?」
「活性化した魔物の巣がございます」
ほう、活性化というのがいまいちわからないが巣というぐらいなら魔物も多そうだしいいかもしれない。
そこで四六時中戦わせていればランクは必然的に上がるか。
まずは試しに、魔物の巣に勇者置き去りが決定。
勇者さん魔物の巣に置き去り決定。
次回、勇者さん目線のお話です。
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