魔王のランク
魔王の強さの一端が明らかに。
短いです。
「お前はランクでいうといくつだ?」
なんとなく想像はできる。
わざとらしく魔族の話は避けていた。
聞きたくはないが聞かねばならない。
思い切って足を踏み込む。
「恥ずかしながら、私のランクは8でした」
はい、勇者より強かったです。
そりゃそうか、連れてこいと言って、連れてこれるんだから。
などと納得してると、悪魔リーダーは俯きながら言葉を続けた。
「ですので、聖剣を使い、力を解放させた勇者に討伐される可能性がありました」
討伐される可能性があるぐらいっていうなら、討伐されない可能性のが高かったってことだろ。
やっぱこいつがラスボス設定だったんじゃないのか。
ってなんだか聞き捨てならないワードがでてきたなぁ。
「聖剣を使うことで勇者は強くなるのか?」
「聖剣には勇者の力を倍増させ魔族を弱体化させる効果があるのです」
ただのよく切れる剣(俺は切れなかったけど)ぐらいかと思ったら中々の性能だ。
勇者にバフがかかり魔族にはデバフがかかる。
確かにそれだとランク5の勇者でも有利になるのかもしれない。ランク8の悪魔リーダーだと確かにきついかったのかもな。
ってゆーか、
「でした、と言ったか?」
過去形で語っていたもんね。
「魔王様がお目覚めになられましたので」
よくぞ聞いてくれました、みたいな顔をするな。
俺が目覚めたからってのはよくはわからないが、なんとなく答えはわかりました。
強くなってるんですね。
わかってます。
ある程度は予想はできますよ。
ここまできたんだから、あえて聞く。
「ちなみにいまのランクは?」
「この姿ですとランク15です」
およそ倍になっとる。
そして、『この姿』って、まだまだあるんかい!
わかってますよ。
なんとなく答えはわかってますよ。
ちゃんと予想はしてますよ。
わかっているがあえて聞く。
「で、その姿を、解除すると?」
「まだランク30といったとこでしょうか」
「ふぁっ!」
はい、さらにドンッ!
勇者の6倍!
なんなんだこのインフレは。
もはや聖剣うんぬんじゃ無理やん、残念勇者ごときじゃ手におえんやろ。
しかも『まだ』って言ったぞ。
『まだ』って。
「もう少し魔王様の力が馴染めればもっと強くなれるのですが」
何故か悔しそうに語る悪魔リーダー。
いいよ、いいんだよ、充分だよ、無理してそれ以上強くならなくていいんだよ、段々と勇者が可哀想になってきた。
「いまのままで充分であろう?」
「このままでは魔王様のお役にたてませんので」
たってるよ、充分お役にたってるよ。
なにをめざしちゃってるの?
魔王の座でいいならすぐにでもあげちゃうよ。
なんなら玉座に座ってみる?
「充分役にたっておる。いまのままでよいぞ」
「ありがたき幸せ、ですがせめて魔王様の半分程度にはなりませんと」
なんか恐ろしいこと言っておりませんか?
誰の半分って?
悪魔リーダーが俺の半分以下?
ないないないないないない。
そんなんいったら俺どれだけ強いのよ。
ありないっしょ。
「ちなみに魔王様のランクは100を軽く超えているかと」
「ふぁっ!」
変な声がでた。
「正確には計測できませんので」
何故か嬉しそうに語る悪魔リーダー。
「その計測っていくつまでできるんだ?」
「ランク100辺りともなると誤差が大きくなるものですから」
ざっくりレベル1000ってことかぁ。
戦闘力53万とか言われなくてよかったけど計測不能って。
あえて聞くけど、
「俺が勇者に殺られる可能性は?」
「ダメージを負うことすら万に一つも有り得ないかと」
爽やか笑顔で答える悪魔リーダー。
何故かご満悦だ。
そりゃそうだよねー。
どうやって俺のこと殺させよう。
オレはこの日、この世界の現実のきびしさを思い知らされた。
魔王強すぎてですね。
数値の設定は変えるかもしれません。
短めですが夕方にもう1話投稿します。
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