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討伐されたい転生魔王〜弱すぎ勇者を強くする  作者: ただのこびと
第一章 始まりの二日間
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出来たてをお届け

本日3回目の投稿です。

 オリハルコンの剣が出来た。


「勇者のところまで案内しろ」


 出来たての剣を勇者に使わせてみよう。

 俺が作った剣がどれくらい斬れるか気になる。

 早く試させたい、どれほど斬れるのだろうか。

 わくわくが止まらない。


「主が行かれるのですか?」


 キョトンとした感じで悪魔リーダーに聞かれた。

 なんともいえない温度差があった。


「どれくらい斬れるか見たい、何か問題でもあるのか?」

「いえ、主が目覚められ魔族は勿論、魔物も強くなっております」

「それと何か関係あるのか?」

「はい、主が近くに行くと更に魔物の強さが上がります、恐らくあの勇者では太刀打ち出来ないことになるかと」

「ん? 俺ってそんな影響力あるの?」

「はい、周りにとてつもない影響力を及ぼします」


 クラスを駄目にする不良みたいな言われようだな。

 なんか微妙に傷つくぞ。


「でも剣の斬れ味みたいんだよなぁー」

「では映像で確認されてはいかがでしょう」


 そういって悪魔リーダーはどこからともなく出したリモコンのスイッチを押す。


 ポチッ!

 ウィーーーーン!


 すると機械音とともに天井から巨大なモニターが降りてきた。


「あっ、そんな便利なのがあったのね」

「はい、世界中のどこでも見ることができます」


 ホントになんでも設定だなぁ。

 カメラとかどーなってんだろ。

 魔術使ってんのかなぁ?

 でも便利なことにこしたことはないので文句はない。


「で勇者はどうなっている?」

「こちらです」


 映し出されたモニターには汁まみれになりながら逃げ惑う勇者の姿が映し出された。

「ギャーー!」だの「ワァーー!」だの叫びながら逃げる勇者、追いかける狼の群れ。

 先回りしていた狼が目の前に現れると左ストレートを繰り出し魔物を蹴散らしながらひたすら走っている。


「俺はかけっこをさせに行かせたのか?」


 何をやってるのだ? 理解できん。


「単純に逃げているだけかと」

「逃げていて強くなれるのか?」

「足だけは早くなるかと」


 うん、強くはなれないのね。


「ほんのちょっと、遠くから剣を渡すだけとかでも影響はあるのか?」

「それぐらいでしたら多少の影響が出る可能性もございますが大丈夫かと」

「よし、ひとまずそれでいこう」


 俺は剣の斬れ味をみれる。

 勇者は剣で戦える。

 WIN−WINの関係だろ。


「転移の魔術はどうやったらできる?」

「行きたい場所を念じれば可能です」


 だからそのなんでも設定はなんなの?

 俺は天才なの?

 なんでもできちゃうじゃん。


「あー、とりあえずちょっといってくる」

「かしこまりました、お待ちしております」


 モニターに映っている勇者の場所を凝視して、その上空に移動するイメージをする。


 目の前が暗転して外の景色へと変わった。

 下の方には走り回る勇者の姿。

 転移の魔術は成功したみたいだ。


 改めて勇者の姿を確認すると手に持っていた剣をぶん投げた。


 ヒュッ!


 空気を切り裂く音とともに勇者のほうへ飛んでいく剣。

 勇者のすぐ横をとおり抜け地面に突き刺さった。


 チュドォーーン!


 地面が爆発しあたり一面が吹き飛んだ。


 当然巻き起こった爆風で吹き飛ばされる勇者。

 サッと立ち上がるとキョロキョロ辺りを見渡す。

 そして上空にいる俺に気づいたようだ。


「出来たてをお届けだ」


 それだけを言うと再び転移で玉座へ戻った。


「お帰りなさいませ」


 十秒もたっていないのに律儀にもてなしてくれる悪魔リーダー。

 相変わらずのイケメンぶりだ。


「さて、斬れ味はどうかな」


 モニターに映し出されている勇者は何故かブチギレていた。


「あいつ、なんなの。いきなり上空から爆撃とかありえないでしょ。頭イカれてるんじゃないの!」


 凄い言われようだった。


「あっ髪の毛切れてるじゃん! まじ最悪! あいつまじ最低じゃん」


 そんなことはしらん。早く剣を使え。


「何を投げ飛ばしてんの、投げるなら投げる前に声かけろっての!」


 文句ばかり言っているが、やっと投げられた物を確認したらしい。


「ん? 剣?」


 クレーターになった地面の中心に突き刺さった剣。

 一緒に吹き飛んでいた狼達も体制を整え再び勇者へと走り出している。

 迫ってくる狼に気づいた勇者は急いで剣へ向かって走っていき剣の柄へと手をかけた。


「これを届けてくれたんだ、普通に手渡してくれたら良かったのに、いいとこあるじゃん、あいつ」


 深くめり込んだ剣。

 その柄を両手で持つと力いっぱい一気に引き抜く。


「って、抜けないんですけどぉーー!」


 剣は微動だにしない。


 残念勇者にはオリハルコンの剣は抜けなかった。



勇者の左ストレートでは魔物を倒せません。

次回予告、出来たてお届け魔王便、再配達!

本日18時更新します。


【読んでくださった皆様へ】


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この作品を読んで少しでも面白いと思ってくれた方、ちょっとでも続きが気になると思ってくれた方、出来ましたら、評価ポイントをぜひよろしくお願いします。

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