プロローグ
ある草原で、剣帝は怪物と対峙していた。
一方的に攻撃を繰り出していた剣帝だったが、
その怪物はびくともしない。
そのうえ、怪物は徐々に攻撃を始めていた。
最初は攻撃を防いでいた剣帝であったが、
だんだん怪物の攻撃は激しさを増し、ついに剣帝は血を流して倒れてしまった。
「なんで...なんで僕たちを頼ってくれなかったんだよっっっ!苦しさは、みんなで分け合えば楽になるってもんじゃないの!」
草原は風で揺れていた。
「君はなんにもわかっちゃいない。僕のことも、皆のことも、世界のことも。」
「何がさ...。君の言ってることがわからないよ!でも、たとえわかってなくても、君の助けにはなれたよ!僕だけじゃない。後ろにはみんながいる!なにも君だけで抱え込むことはないじゃないか...。」
「みんながいるからさ。」
「え?」
少年は顔を上げた。
「みんながいるからやらなくてはならないんだ。君や、守らなくてはならない人たちがいるから、立ち向かわなければならないんだ。」
そう言って草原に倒れていたエドワード・ラグリエルは、破壊魔にも黒炎巨人にも見えるような怪物に飛び込んでいった。
その日、世界が変わり、ひっそりと終着点も変わろうとしていた。
いや、変わろうとしていたはずだった。