表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Nostalgic dream world  作者: 現より
月夜に少女は何を見る
8/16

7話 寄り道するなって…

「あら、夜は寝ているのでしょうか? それとも一度話したから?」


 最初に会った親切な方がいませんね、まあいいです。さっさとログアウトしましょう。



「ふぅー、疲れた。あっ、あのおじいちゃんから貰ったお守り着けてなかったな…明日でいっか」


 さて、飯でも食べるか。




 いやー、昨日は楽しかったなぁ。しかし今日も学校、明日も学校、自らの未来に今を縛られにいかないと…


「おいっ! 昨日どこ行ってたんだよ!?」


 やっべぇ、忘れてた…


「いやぁー、ちょっと楽しくなっちゃった」


「楽しくなっちゃったぁじゃねぇーよ! 昨日探し回ったんだからな!」


 昨日は陽介とフレンドになるって約束してたのに、結局草刈ってスライムとゴブリン倒して終わったんだっけ。何やってんだろ俺。


「分かった分かった、悪かったって。今日は素直に街まで行くから」


「本当かぁ? まあ許してやろう! じゃあ、街に入ってから真っ直ぐ進んだとこにある噴水で待ってるから」


「さっすが寛容」


「俺もあのゲームはかなり楽しかったしな」


 街までは教会から北に直進だったか? まあ何にせよ、今日は会えるだろう。


「じゃあまた放課後な」


「おう、今日こそはフレンドになってくれよな!」


「フレンドになろう! って聞くと、入学式にめっちゃ明るい人と会ったみたいだな」


 さーて、早く終わんないかなぁ。




「教会から北…街に入る…どちらも直進…」


 よし覚えてる、まさか迷いはしないだろう。


「さっそくログインするか」


 また教会からスタートか、今日は優しいおじいさんいるだろうか?



「ええと、メニューから変更出来るんでしたね」


 ログインしましたがキャラが昨日のままでした。この姿はもっと驚かせそうなタイミングまで取っておきましょう。


「あー、あー、本日も晴天なりー」


 この変更メニューからじゃなくてもいけるのな。魔法の時みたいに頭ん中で念じたらいけたわ、便利。


「おやおや、トラベラー様。ようこそいらっしゃいました」


「えっ? あー、はい」


 なんだそのよそよそしさは。まるで初対面みたいじゃん。


「すみませんね、気付きませんでした。いつもならこうパァーっと光ってくれるので分かりやすいんですがの」


「…そうですか」


 これ絶対別人だと思われてんな。何でだ…ってあれか? 偽装をずっと使ってたから、使ってないこの姿を別人として認識したとかか? よくわかんね、ほっとこ。


「何かお聞きしたいことなどはありませんかの? 出来る限りのお答えしましょう」


「んー、大丈夫ですかね。手探りで行きますんで」


「そうですか、外には魔物もいるので気をつけてくだされな」


 手探りとかいって誤魔化しておこう。


「ではまた」


「ええ、達者でな」


〈称号「光の中へ」を獲得しました〉

〈称号「適合者」を獲得しました〉


 またなんかゲットしたのか、ちょっと確認を…いや、今日は絶対街へ行くんだ。それ以外のことは後回しにしていこう。


「いざ、新たな冒険へ!」


 …人が居なくて良かった。



 はてさて、街までの道中魔力は足りるだろうか? やはり魔法職ならば魔法で殲滅すべし、ひたすら魔法使っていこう。


「やあスライムくん、弾幕なんていかがだい?」


「ピッギャ!」


 いやーいいね、魔法弾幕。昨日よりも威力が出てて楽しい。しいて悪い点を挙げるなら、スライムが1発で倒せてしまうので弾幕にならないといったところだろうか? さっきからは道端のスライムや草の陰に隠れてるスライムなんかを倒してる。


「あーそういえば生活魔法なんてのもあったな」


 いつの間にか獲得してた魔法に「生活魔法」があったんだよな。やはり真の魔法使いを目指すなら、「生活魔法」ですら戦闘に流用出来なければなるまい。


「よーし、そうと決まればスライム相手に練習だ!」




「やっべぇ楽しい」


 生活魔法極めたら「遅延詠唱」が手に入るって罠だろこれ…レベルが上がることに気づいて、途中から瀕死にしたスライムを〔着火〕で倒すなどの熟練度システムなら破綻してる方法でレベル上げしたけど大丈夫だっただろうか? レベルはかなり上がりやすかったけど10レベとか誰も上げないだろうな…


「大体魔法は試したし、後は街に、行く…だ……け」


 ああーーー!! 忘れた忘れた忘れてた! やっべぇ3時間も経ってる…まだセーフ、だといいなぁ。去らば未来の俺、後は託したぞ…



「で、言いたいことはそれだけか?」


「まじすんませんでした」


「はぁー、まあゲームだから遊ぶなとは言わないし、フレンドにもなれたからまあ…」


 やったぞ過去の俺、未来の俺は無事生還した! 九死に一生を得た!


「が、せっかく一緒に遊べんのに2日も放置されかけた。この落とし前どうしてくれる?」


 ごめん過去の俺、十死零生だったわ。


「くっ…なら、今度ジュース奢ってやるよ」


「まじで? ラッキー」


 優しい親友を得て俺は幸せだ。って言っても大体何かあったらジュースを奢って許してきた仲なんだけど。人の鞄の中に水ぶっかけて全部びちゃびちゃにした後、申し訳なさそうにジュースを奢られた時は一緒に後片付けさせただけで許してやった。


「じゃあどっか戦いに行かね?」


「俺まだ街見てないんだけど」


「お前どうせ一人でも見れんじゃん、てか何が悲しくて野郎二人でショッピングせなあかんのや」


 エセ関西弁出てるぞ。まあ確かに後で一人の時に見回ればいっか。


「なら筋肉至上主義のお前に魔法の素晴らしさを教えてやろう」


「ふっ、魔法バカには分からないだろう世界を見せてやる」


「ほう…で、どこへ行くんだ?」


 新たな力「遅延詠唱」の力を見せてやる、ことが出来ればいいなぁ。


「街を出て東の方なんかは結構広くておすすめ。ついでにpvpもやりたい」


「pvpかぁ、うーん、先pvpでいい?」


 とっておきは共闘よりも対戦でお披露目したい。


「そうか? まあいいけど。なら街のギルドに闘技場があるからpvpはそっちでやるか」


「ギルドとかあんの?」


「バッチリあるぞ、といっても登録者同伴なら闘技場は使えるから安心しろ」


「俺も登録したい」


「あとでいいでしょ、早く戦いてぇ」


「あっそう」



 でけぇ…体育館くらいありそう。外観はよくあるギルドって感じだが、そのわりに騒がしくない。まあゲームだしギルドが騒がしかったら使いにくいか。


「闘技場ってどこにあんの?」


「ああ、こっち。ついてきて。それと、俺らの戦闘って開示設定どうする?」


「なにそれ」


「pvpって基本は戦ってる様子を周りの人たちも見れるようになっててるんだけど、闘技場とか特殊な環境で戦う時だけ自分が選んだ人だけに見せるっていう限定公開が出来るんだよ」


「はえー」


 どっちでもいいなぁ。いや、どうせなら限定公開にしとくか。


「限定で」


「もうしてる」


「なんで? 怖いんだけど」


「だってお前って使えるなら使っとこうの精神で生きてるし、意味もなく秘密を作りたがるじゃん」


 くっ…さすが幼馴染、分かってらっしゃる。


「じゃあ始めるぞ」


「あいよ」



 よーし、準備運動はバッチリだ。魔法職だからいらんけど。いやそもそもVRなんだった、リアル過ぎて忘れそう。今回はとにかく魔法をメインに使っていかなければ…あいつに魔法を使わなかったこと後悔させてやる。


〈3…2…1…レディー?〉


 ………


「えっ? これ勝手に始まらないの?」


「やっべ、設定忘れてた」


「しっかりしてくれ」


「おっけ、出来た!」


〈ゴー!!〉


「ゴーってどこに向かってんだよ…」


「へいへいへい! よそ見してて良いのかぁい?」


「あっぶね!」


 奴め…初手で殴りかかってきやがった。武器は剣にするって言ってた気がするけど、勘違いだったか? 杖を使って拳を逸らしたが、「身体制御」のレベルが低かったら危なかった。あいつはもう次の攻撃に備えるな。


「くっそ、盾さえなければ余裕だと思ったのに」


「あー! お前っ、俺に街での買い物後回しにさせたのってそういうことかよ!」


「騙されるほうが…悪いんだ、よっ!」


 ぐぐぬ、やはり魔法職だと動きにくい。遠距離攻撃で押しきるか。というかあいつはずるしたんだし、いきなり本気でいっても怒らないだろう。


「ふぅ、〔ライトボール〕…〔ダークボール〕…〔ファイヤーボール〕…〔ウォーターボール〕…〔ウィンドボール〕…」


「なんだよそれ! ちょっ、まじで、待ってっ、グフゥッ!?」


「ふっふっふ、これぞ魔法の力よ…盾の恨みっ、杖アタック!」


「卑怯だぁー!!」


 お前に言われたくはない。それにしても、あーいい、魔法いい、凄くいい。魔法のレベルが上がって前よりも少し早く撃てるようになったから、より凶悪度が増してると思う。でもあいつあんなこと言ってるけどほとんど当たってないじゃん。一番速い〔ライトボール〕でやっと当たるくらいじゃないか、今はもう当たらなくなってきてるし。


「何でお前当たんないの?」


「筋肉!!」


 聞いた相手を間違えた。一応〈固定砲台〉の称号で威力は少しだけ上がっているけど…


「はっはー! 魔法を抜けて来たぜぇ~」


「おらっ、ナイフでもくらいやがれ!」


「はぁ? 何でだ! ナイフなんてどこで拾ってきたんだよ!」


「秘密」


「くっ、だが! 本物の筋肉には敵わないことを教えてやる!」


 キツいな、全然当たらん。ってやばっ、何か溜めてんな。


「〔連掌〕〔チャージ〕! からの、〔バックステップ〕〔ハイスマッシュ〕〔エアショット〕!」


「ちょっ、〔アースウォール〕っ、〔ファイヤー〔ウォーター〔ウィンド〔ライト〔ダークアロー〕〕〕〕〕」


 なんか凄い勢いで飛んできやがった。取り敢えず、使わずにおいた「地魔法」のウォールでしのぐ。地属性は称号での強化と、その上ウォールと相性がいいのでいざというときに取っておいた。そのおかげでほとんどダメージを受けることなく押さえられた。


「なにそれ強すぎじゃ、グハッ!!?」


「はいかちー」


 必殺技の後は隙が出来るものなんだよ。強力な技を使った後の反動か何かで動けないあいつに、魔法の中で他よりもかなり速いアローを撃ちこむ。さっき〔アースウォール〕と一緒に発動して、「遅延詠唱」で周りに発動状態直前で留めておいた残り5属性の魔法だ。


〈pvpは終了しました〉

〈結果は━風月━様の勝利です〉

〈掛け金は設定されていませんので、このまま勝負を終了とさせていただきます〉


 おー、闘技場に戻ってきた。さっきの限定公開では周りと隔離されてて、誰もいない闘技場の別マップに行ったような感じだった。


「あー、負けた。もうやだ」


「まー、まー、君が勝てるほどの実力を備えていなかったと言うことだろう」


「こいつ…初めて2日目のくせしてマウント取ろうとしやがる」


 確かに昨日始めたばっかだったな。なら差なんてそんな開くわけないか。


「まあ俺は楽しかったぞ。あと早く街にも行きたい。盾買わせろ」


「そういやお前、最後何重にも詠唱が聞こえた気がするんだけど」


「「「こんな感じ?」」」


「うっわ、気持ちわる…」


 耳触ったらナメクジが居た時みたいな顔してる。


「「「「「「「「気持ち悪いとは失礼な!」」」」」」」」


「あーやめて、悪かった、悪かったから」


「「そんなにいやか? これ」」


 魔法の詠唱を平行に出来るなら同時にも出来るだろうということで、声を同時に出せばいいんじゃないかと思った結果の産物。たしか「同時詠唱」って名前のスキルだったはず。


「なんか嫌。ってかどうやったらそうなんだよ」


「なんか出来た」


「ああ、そう」


 今日はもう街をちょっとまわって終わりかな、明日も街を探検しなきゃ。


「じゃあ街見てくるわ」


「おう、またな」

生活魔法は使ってれば誰でもレベルを上げられます。戦闘で使えばモンスターの経験値が入る程度です。

称号の"~の中で"は入手方法が特別だったりします。

同時詠唱はAIに判断されて出来た新スキルです。


追記:称号獲得のアナウンス漏れを修正

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ