1話 プロローグ
VRゲームで遊んでいく物語。
奇想天外なんて言葉に合うような主人公にしていきたいと思います。
初投稿なので若干作者が楽しんでしまうかもしれませんが、はっちゃけ過ぎていたらブレーキをかけていただくと幸いです。
このあらすじやタイトルの後ろに~○○○~を付ける等の変更を予定しております。ご了承下さい。
ドンドン
ドアを叩く音がする。
ドンドンドン
ドアを叩く音がする。
「かえでー」
あれ、今何時だっけ。確か7時だったはず。ってことはこんな時間に訪ねてくるバカはいないから、今の呼び出しは気のせいだっ「かーえーでーーー!」
……
「おーい、いないのかーー」
「うるせぇ! 今何時だと思ってやがる!!」
「おー、いるじゃん。なんですぐ来てくんないんだよ」
「時間を少しは考えた方がいいのでは?」
「へっへっへ、今日はですね、良いものが手に入りやしたんでお裾分けに来たんですよ」
流石は我が幼馴染、白風 陽介だ。こんな時間に来た上に、人の話をスルーしていく。
「そうか、すぐに済ませてくれ」
「わっかりやした!」
「って感じだったかな」
昨日は大変だった。夕方やって来たあいつはあれだけ騒いで、こいつを置いていくぜとだけ言って帰りやがった。学校で今日の帰りに持ってくれば良かったのではと聞くと、今すぐにこの感動を分かち合いたかったと返ってきた。なんでも、兄と姉からそれぞれ貰ってしまったので、どうせなら一つはあげようということだったのだ。
貰ったものはVR専用の最新ゲームソフト、Nostalgic dream worldだ。それにしても、発売日に売り切れて次の発売は未定だったのによく手に入るもんだ。確かこのゲームは「AIと共に創る世界」という事で話題になったっけ。ゲームの大まかな設定こそ変えないものの、NPCやイベントなんかで人だけでなくAIも一緒にゲームを作っていったというものだったはず。そうえばあいつが今日、遊んでいる途中でもAIが各個人のプレイスタイルを観察して、新たなスキルやイベントなんかが追加されるって言ってたな。
「説明書は昨日読んだから大丈夫だな」
今日が学校だからと昨日はやらないことにしたが、今はもう下校ずみ。今からゲームをセットして始めるとしよう。
「ようこそ、ここはNostalgic dream worldへの出発口となっております。私は本作を遊んでいただく前の取扱説明書となっております」
早速始まっ…あれ? ここはまだゲームじゃなくて取説なのか。
「ここでは、Nostalgic dream worldをプレイする上での注意点をお知らせ致します。本作ではあなた方をトラベラー、NPCを住民と呼んでいることが多いです。住民は実際に生きている様な反応を示しますので、くれぐれも羽目を外し過ぎて忘れてしまうことの無いようご注意下さい」
「そりゃあゲームなんだから好感度くらいあるよなぁ…」
まぁ、だからといって好感度を気にしすぎる必要は無いだろう。相手だって生きているのだから、頭にくるようなら殴ってもお互い様だ。
「取り扱い説明書といっても、その他の注意事項はほとんどのフルダイブ型VRでの注意点と同じですので省かせていただきます。もし注意点を確認されていませんのでしたら、ここで一度ログアウトして頂くことも可能です。その際、この説明をとばすことも出来ますのでご安心ください」
他のゲームならやったことがあるからVRでの注意くらいは知ってるし、説明書は熟読済みだから大丈夫だろう。いくら読んで覚えていても大事な時に思い出せないけど。まぁ、水分補給とトイレが済ませてあるので完璧だな。
「では、これよりNostalgic dream worldの世界へと向かいます。準備はよろしいですか?」
「大丈夫だ」
「いってらっしゃいませ、Nostalgic dream worldへ」
7話後の掲示板回まで飛ばしぎみですが、そこまで見ていただければこの作品の作風が分かると思います。
追記:段落の最初を空け忘れていました