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ようこそ、理想郷へ(改稿版)  作者: 林桃華
第0章全ての始まり
5/21

トリス

よろしくお願いします



「アレウス、あとは頼んだぞ」




私はそう言い残してアレウスの目の前から消える



あぁついにこの夢から覚めてしまうのだ



私は私の元へ帰ろうとしている



まだしばらく猶予があるのだろう


私はその猶予をアレウスとの一年間を思い出す時間にする



私は最後の力を使い、一年という自由の時間を手に入れた


そして私がきた場所にあいつはいた



まさか私と同じイレギュラーで転生された人間に会えるとは思わなかった



運命なのかもしれない、この男こそ私の運命の者なのかもしれないと思った



だからアレウスなんて名前をつけてしまったのだろう


生前に占い師から聞いた運命の相手の名前がアレウスだったから、そう名前をつけてしまった。運命の相手の名前だ、だからこそ生前はずっと頭の片隅にその名前はあった。だが生前で出会えることはなかった。だからあいつにアレウスという名前をつけようと考えたのだろう



それくらいあいつに期待していたのだろう


そしてあいつは私の期待通りに強くなってくれた


私の全てを託したんだ、この世界では力が力を呼ぶのが真理だ


あいつが私がいなくなったあとも強くなりさえすれば、どんな道を進もうがいつか私に辿り着くだろう



そして願わくば私を殺してほしい




だがアレウスが私のことを覚えている可能性はおそらくない


アレウスが出会った私という私はほんの一部、そしてその一部の私は今にも私の本体にのみこまれようとしている


つまりアレウスの記憶に生きる私の存在は幻想であり、一時の儚き夢に過ぎない


たかが一部である私が消えてしまえば幻想は壊され儚き夢から覚めることになる。その先の世界にこの私はもういない


つまりあいつの世界に私はいないことになってしまう


だけど私はあいつに願う

もしかしたら思い出してくれるかもしれない



私だけアレウスとの思い出を有しているなんて虚しいことこの上ない



悠久の深淵に閉じ込められている私にとってはこの暖かな思い出は苦しみでしかない



だから答えを聞かなかった



答えはきっと私と同じ5文字だったんだろう

言わなくてもわかっていた


だけど聞いてしまえば、私はまたその思いに縛られることになる




私にもまだ乙女らしいとこがあるとは思わなかった、私もまだまだ全然いけるみたいだな




あぁそうか...もう終わりか



だったら私が私であれる時にもう一度言おう




愛してるぞ、アレウス

















そして私を殺してくれ

お読みいただきありがとうございます


ここから既存の作品の最初へと繋げていこうかなと思っています


よかったら感想下さい

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