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ようこそ、理想郷へ(改稿版)  作者: 林桃華
第1章 旅の始まり
11/21

最初の依頼

よろしくお願いします

カインたちやエドさんたちと颯爽と別れた後、俺は次何をすればいいのかわからなかったので冒険者ギルドに戻ることにした



「さて...通貨の単位とか全く知らないけどエドさんから貰って分で数日はどうにかなることを祈ろう」


貰った小袋の中身をしっかり調べるとそこには輝きを放つ金貨が十数枚、金貨ってことはそれなりの価値があるって判断でいいよな



不透明なことが多すぎるからこれは早めに依頼を受けて金を少しでも稼いだ方がよさそうだ



冒険者ギルド内の依頼書がかかっている掲示板へ向かう。俺が今受けれる依頼のはコッパー級とブロンズ級の2つのみ。俺は依頼内容を確認しながら、色々と考える



コッパー級とブロンズ級の依頼内容を見てみると、冒険者というよりは何でも屋って感じがしてくる


コッパー級の依頼内容の大体は街の人々のお手伝い、ブロンズ級もそんなもんだがブロンズ級から街の外での依頼などが受けれるようになる



モンスター狩りのやつも何個か、多分だけど低級モンスター

等級が低いほど依頼内容は危険度が低い、そしてもちろん報酬も低いだろう




シルバー級以上の依頼を見てみてるがカインの言っていたとおりブロンズ級以下とシルバー級以上の報酬は桁1つ違うレベルで差がある



「こりゃ早めにカインたちと組んでもらうことにもなりそうだなぁ...」



まぁでも一応何かしらの依頼は受けといたほうがよさそうだ


街の外に出るよりは街の中、とりあえずこの世界の常識を色々と学べるような...欲を言えば衣食住があるような...



「...ってあるじゃん」


俺は1枚の依頼書を手に取ってみる



内容を見るとこの街にある孤児院の住み込みの手伝い、報酬は銀貨1枚



「うーん...詳しい内容は受付にて、か...聞いてみる価値はあるんだろうか」



(どうでしょうねぇ、見た感じ用紙は新しめの使ってるみたいですのでずっと放置されてたみたいな感じではないんじゃないですか?)


なるほど、そういう見方もあるのね




「とりあえず詳しい話を聞いてみるか」



俺はそう言って依頼書を持って受け付けまで行ってみる




「あぁ孤児院のお手伝いですか、詳しい内容を聞きに来たのですね?」

「教えてくれると助かる」

「そうですね、お仕事としては孤児の子供たちの世話をしているシスターたちの補助でしょうか。住み込みで3食付きですので大体は初心者冒険者さんの一日の生活費が大体銀貨2枚というところを考えると、この銀貨1枚は割の良い方だと思われます」



俺が頷いていると受付嬢はさらに話を続ける


「時間は午後からの半日ですので、午前中に別の依頼を受けてこなすということも可能ですので冒険者になられたばかりのアレウスさんには合った内容かもしれませんね」

「なるほどな、寝る場所があって飯もつく。それに午前中はフリーというわけか」



これなかなかいいのでは?



「これって今すぐにでも依頼を受けれるのか?」

「えぇですが、この仕事を受けるには依頼書を直接持って行って孤児院をしている教会のシスターの面接を受ける必要がございますが大丈夫ですか?」

「面接か...とりあえず受けてみるとするか。悪いが教会の場所を教えて貰えると助かるんだが」

「えぇでは、簡単なものを手書きですぐに用意しますのでしばしお待ちください」



そして待つこと5分ほどで、目印などを示した大まかな地図を手書きで用意してくれた


「基本的に大きな道を進んで行けば行けるので問題はないと思います」

「わかった、助かったよありがとう」

「いえ、では頑張ってください」



俺は地図を手に持ちながら冒険者ギルドをあとにする





「......んで、ここを右に曲がる...お、あれじゃないか?」



地図の通りに右角に曲がると視界に教会らしき建物がうつる



とりあえず建物の前まで行ってみる




「......ふむ、孤児院とはどこにも書いてないが...」




俺は門の前まできて立ち止まる



誰かいないだろうか?



教会の扉には現在シスター不在の文字、扉を開けようとするが鍵がかかっていて開かない



これはどうしたもんか?とりあえず裏側に回って人がいるのを探してみるか?



「ねぇねぇ!!何してるの?」

「.....ん?」




後ろを向くと小さな影が4つ



「お兄ちゃん誰ー?」


一番前の緑の髪の女の子が俺のことを不思議そうに見てくる


そして後ろの3人も俺のことを興味深く、または疑うように見てきている


(子供ってことは、もしかしてここの孤児の子たちじゃないですか?)


多分そうだろうな


とりあえずこの子達に聞いてみたらわかりそうだな


「なぁここが孤児院であってるのか?俺ここの手伝いに来たんだけどわっ──!?」

「怪しいやつだ捕まえろー!!」

「捕まえろー!!」



目の前の緑髪の少女とその後ろにいた少年一人が俺に向かってとびかかってくる


少女は俺の身体に抱きつき、少年は俺の腕にぶら下がってくる


そして楽しく「不審者ー!!」と言いながら笑っている




「な、なぁ俺冒険者ギルドから来たもので、この孤児院の依頼を受けるために面接に来たんだが...」



俺は身体に2人の子供をひっかけながら、俺のことをまだ見ている落ち着きのある真面目そうな少年に聞いてみることにした



「ぼ、冒険者の方ですか?すいません!!ほらエレナ、トニー降りた方がいいって!!」


俺が冒険者と聞き真面目そうな少年が俺にぶら下がる2人に注意する



「ねぇ、おじさんほんとに冒険者なの?強そうに見えないけど?」



お、おじさんだと...??


真面目そうな少年の横にたっていた気の強そうな赤髪の少女が睨むように俺を見ている


警戒されてんのか?とりあえず生意気なことには変わりないし俺は絶対におじさんじゃない



(アレウスさん、必死すぎます)


うるせぇ、この歳でおじさんとか言われたら傷つくのが普通だろうが




「今シスターが不在みたいなんだけど、誰か大人とかいたりするかな?」

「そ、それでしたらエミリア先生がいると思います」

「よかったら案内頼めるか?」

「は、はい。え、えっと大丈夫なんですか...?」

「あぁこれくらいなら問題ない。そのまま連れてくよ」




俺はワーキャー言いながら笑っている子供二人をぶら下げて真面目そうな少年の後ろについて行く




「ほらアベル連れてきたわよ」



裏まで案内されると先に呼んでくるために行っていた生意気な少女が一人の女性と一緒にいた



「えっと...あなたが怪しいあまり強くなさそうな冒険者さんでしょうか...?」

「おい、」



生意気な少女にジロっと睨むと「何よ?文句ある?」みたいな目で返された



「すまん、冒険者ギルドからこの手伝いの依頼を受けに来たんだが...」

「それはすいません!!ほらエレナ、トニー冒険者さんから離れなさい」

「「はーい!!」」



孤児院の先生らしき女性の言うことを従い大人しく俺から離れていく



「あの、それで依頼を受けに来てくださったということなんですよね?」

「あぁなんか面接があるみたいだから、来た次第なんだが」



俺は懐から依頼書を渡して女性に渡す



「ありがとうございます!!では、シスター...いえ、院長先生が奥にいますのでご案内します!!」

「え、シスターいるの?」

「はい!!」



とても素敵な笑顔で返された


え、じゃああの入口にかかってた院長不在の標識みたいのはなんだったんだ?



「あ、すいません!!私ここの孤児院でシスター見習いとして働いていますエミリアと言います、よろしくお願いします」

「こっちも紹介が遅れて悪かった、冒険者のアレウスだ。よろしく頼む」


名前はエミリアというのか採用されるか分からないけどしっかり覚えておこう


そしてエミリアと4人のちびっ子たちの案内のもと院長(シスター)のところに向かう



「では、この部屋に院長先生はいますので。ほらみんな面接の邪魔したら悪いから行きましょう」



部屋の前まで案内され、エミリアは4人のちびっ子を連れて戻っていく



(さて、緊張の面接ですね。ドキドキしちゃいますねぇ)



「お前わざとやってるだろ?」


俺の頭の中にいる女神は何故こうも性格が悪いのか


緊張しているつもりはないがそうやって煽られると緊張してるんじゃないかと思うだろうが...


そして俺は一呼吸おいて扉をノックする




「いいよ、入りな」



しゃがれた女性の声が中から聞こえてくる




「なんだいあんたは......なるほど、冒険者だね」


扉を開き中に入ると鋭い眼光を持った瞳に睨まれそう言われる



「冒険者であってるよね?」

「あぁあってるよ。名前はアレウスだ」

「そうかいアレウス...あんたここに来たってことはうちの依頼を受けるために来たんだね?」

「あぁそのつもりだ」

「いつから冒険者になったんだい?それに等級は?」

「冒険者になったのは昨日。推薦でブロンズ級だ」

「なるほど昨日...ふむ、かなり面白いね...」





矢継ぎ早に質問をされ、答えると院長は何かを呟きながら考えている




「あんた腕っ節には自信があるほうかい?」

「まぁそれなりにはあるが...これってここの手伝いの依頼と関係あるのか?」

「あぁ大ありだよ...よし、とりあえずアレウス、あんた採用だよ」

「え、まじで?」

「何度も言わせないでおくれよ。あんたを今日から採用するんだよ」



まじか、なんかわからんけど採用されたぞ



「もちろん使えなかったら即解雇さ、雇うのは今日からでいいね?」

「あぁかまわない、一応詳しいこと聞きたいんだが、ここで住み込みできて午前中は他の依頼を受けに行ってもいいんだよな?」

「あぁそういう約束だからね、と言っても何かあった時は午前も手伝ってもらいたいとこだけどね」

「あぁそれはかまわないから問題ない」

「それじゃあ後で私が依頼書を冒険者ギルドに届けてくるからあんたのことはエミリアに任せておくよ」

「あぁ了解した」



そういってシスターのマリアは依頼書にハンコを押した

お読み頂きありがとうございます

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