78話・シュタハス神殿
第四章からは「過去編」となります。
時間軸的には、第一章の後…13話後の話です。
約、数か月ほど前に、時間が遡る…
開花の森の北側…「研究所」が崩落した。
それから、数日の時が経った。
人間の拠点(研究所)が、墜ちようとも。
いつもと変わらず、モンスターたちは、森の中で、息を潜めていた。
彼ら(モンスターたち)は、とある建物を、拠点としており。
その拠点は「シュタハス神殿」という名称をもつ…ピラミッド形の建造物だった。
また、この神殿には、二頭のドラゴンが居座っており。
戦士や冒険者から、危険区域として扱われている。
ピラミッドの最上部には、円形の空間が、備えられており。
この空間は主に、ドラゴンの着陸地点という、役割を担っている。
これらのことから、この空間は「竜の眼」と呼ばれていた。
よって、ドラゴン要素が強い、この建物だが。
目的は、もっと単純だった。
何故ならば、その名の通り…
再生の創造主「シュタハス」を、崇めるだけの場所なのだから。
神殿の最上部、「竜の眼」にて。
モンスターたちが、ザワザワと集っていた。
スライム、オーク、ゴーレム、スケルトンなど。
多種多様な顔触れがあって、その人口は、千体まで達している。
だが、これだけ数を束ねようと。
誰一人「自分の名」を、持ち合わせていない。
床全体は、見渡せぬほど広大で。
赤と白のタイルによって、床一面が構築されている。
そして、円柱の柱が、何本も並んでおり。
この大木のような柱が、薄暗い天井を支えていた。
勿論、円柱の柱が、建ち並ぶ果てに。
ドラゴンが出入りする為の「空間」…竜の眼がある。
名を持たぬ、灰色のゴブリンは、薄暗い天井を見上げた。
「マジで、いるのかよ?」
彼(灰色のゴブリン)は、横にいる相方に、文句を垂れる。
その相方…巨大クモは、ただじっとしながら。
「いるか、どうか…の問題じゃない。ただ、信じるだけさ」
相方(巨大クモ)の純粋な返事を、灰色のゴブリンは適当にあしらう
「生真面目、スパイダーメンじゃん」
そんな風に、ブツクサと言いながら。
また灰色のゴブリンは、薄暗い天井と、にらめっこをする。
すると彼(灰色のゴブリン)は、天井が揺れている事に気づく。
彼(灰色のゴブリン)は、何となく察した。
ヤツの帰還が近い…ということを。
数秒後、外の闇夜から、バサバサ…と、翼の羽ばたく音がしてきた。
羽ばたく音が続くたび、柱の列が振動してゆく。
そして、暗く漂う夜空に、一体のドラゴンがいた。
このドラゴンの鱗は、白く滑らかで…
まるで、ドラゴンの形をした、氷のようだった。
活動報告でしか「過去編」という事を、説明しませんでした。
自分の未熟さゆえの「ミス」ですね。




