表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/176

75話・走る者と止まる者


 戦うモンスターたちと、対象的に。

兵士(人間)は皆、戦意損失していた。


指揮官である、軍服の老人も。

モンスターとの戦闘により、すっかり疲弊しており。

もはや、人間サイドの指揮は、壊滅状態だった。


そして、畳みかけるように、水の巨人が出現。

逃げだす者、失神する者、発狂する者…

もうここ(深淵洞窟)に、正常な人間はいない。


 一方、モンスター軍は、引き下がらず。

シュタハス救出のため…巨人に攻撃を仕掛けてゆく。


水の巨人は、足元に群がる、雑魚を見下ろすと。

水晶の拳で、地面を「軽く」叩いてみせた。


だが、巨人にとっては「軽く」とも…

モブ(モンスターや人間)にとっては「天変地異」そのモノ。

硬い地面が、グニャリと、ねり動き。

鋭い亀裂が、大地を裂いていった。


あっという間に、地面全体が、ジグゾーパズルのようになり。

崩れるように、足元の地が、裂けてゆく。


 そして、その裂け目から。

剣山のような「氷柱」が、モンスターに襲いかかった。


水晶の氷柱が、無数に飛び出してきて。

バシュンッ、バシュンッ、バシュンッ、と…水の音が連鎖する度。

次々とモンスターたちが、串刺しになってしまう。


「がァ、はぁっ!」

「ん、ぎやあああ!」

「い、でェええええ!」


氷柱と共に、悲鳴が広まってゆき。

ゴーレムやオークたちが、無残に脱落していった。


 無論、アントスたちも、例外ではなく。


ワイズの真下。

腹の下から、ピンポイントで、氷柱が突き上げてくる。


「?!ッ!」


ワイズはとっさに、身を翻すが…

わずかに、タイミングが遅れ、激しく転倒してしまう。


ワイズの体勢が崩れて。

背中に乗っていた、アントスとレ二ズが、宙に放られてしまった。


アントスは、硬い地面に、頭から落下してしまい。

その衝撃によって、視界がボヤけてしまう。

そして、ボンヤリとした意識のまま、オレンジの空を見上げた。


 すると…

空の向こうにて、大きな翼のシュルエットが現れた。


「フラム!コイツァ(水の巨人)は、無敵だア!」

「バカは、やめな!!」

ゴブリンのレ二ズが、ドラゴンのフラムに警告をする。


しかし、フラムは、耳を貸さぬまま…

正面から、水の巨人へ、まっすぐ特攻してゆく。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ