74話・あの女は、そういうヤツ
白髪の少女と「シュタハス」。
アントスは、まさか、と思ったが。
モンスターたちの怒声により。
いとも簡単に「シュタハス」の正体が、紐解かれていった。
「おい!シュタハスが、摑まってんぞ!」
「あの小娘一人に、ここまで手を焼いたんだ」
「グズグズすんな、突っ込むんダヨ!!」
ゴーレム、スライム、オークなど。
モンスターたちが、一丸となって、水の巨人に戦いを挑む。
たった一人、白髪の少女…「シュタハス」を救うために。
巨大クモのワイズも、戦う仲間を見て。
ハッとしたように、雑念を振り払った。
そして、水の巨人に、標的を定めてゆく。
アントスも続くように、ワイズの背に乗ると。
片手に、風のメイスを握ってみせた。
そんなアントスに、ゴブリンのレ二ズが割り込んだ。
「お前さんよ。これ以上は、注文してないぜ?」
レ二ズは多分「逃げてもいい」と、言いたいのだろうが。
アントスは「自分なり」の返事をしてみせた。
「風のメイスと言い、シュタハス本人と言い…」
「彼女には、隠しごとが多すぎる」
そのシュタハス(白髪の少女)の隠し事、という件に。
レ二ズは、呆れながらも賛同した。
「あの女は、そういうヤツ、だからなぁ~」
すると、アントスは、真剣に言葉を続けた。
「彼女、シュタハスから『この災害』の事を、聞きたいんだ」
一般人のモブ(アントス)は、風のメイスを握りしめ。
「妻と、息子を奪った…パンデミックの真実を」
彼の憎悪の表情をみて。
レ二ズは呆れながら、溜め息をつくと。
アントスに続いて、ワイズの背に乗った。
そして、三人は(レ二ズ、ワイズ、アントス)…
モンスターの進撃に混じって、圧倒的な存在(水の巨人)に戦いを挑む。
隠し事の多い女…「シュタハス」を、取り戻すために。




