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69話・その足音、夕焼けを揺らす


 灰色のゴブリン…レ二ズが、洞穴の暗闇を覗く。


すると、ゴーレムの一人が、彼(レ二ズ)を急かしてきた。

「おい、レ二ズ。ワイズのヤツ、まだなのか?」


「けッ、待てやい。アイツ(ワイズ)のことだ。偽善者ごっこでも、してんじゃね?」

レ二ズは、雑に言い返しながら、相方の帰還を待つ。


軍隊(人間)とモンスターの戦いは、すでに終わっており。

戦いの結果は、モンスター側の圧勝だった。


投稿した兵士たちは、完全に喪失している。


また、兵士側(人間たち)に、死者は一人もおらず。

ゆえに、転がっている人間は、気絶している者ばかりだ。


よって、人間サイドの損害が、少ないことから。

モンスター側の目的が、「殺害」でない事がわかる。


と言うよりも、モンスター側の方に、死者が出ており。

モンスターの残骸(死体)が、至るところに転がっていた。


 オークやゴーレムたちは、降伏した兵士を見張っているが。

その様子は、疲れ果てて、グッタリしていた。


レ二ズはイライラしながらも、ゴーレムに問う。

「あの地震…嫌な感じだぜ。『フラム』は何て?」



「いや、まだ音沙汰ないな」

ゴーレムの返答に、舌打ちするレ二ズ。


「たくっ、『破壊と烈火』だぁ?Mrトカゲマンのほうが、お似合いだ。畜生」


レ二ズの暴言を、聞き流しながら、ゴーレムは空を見上げると。

「ほら、見てみろ」と、レ二ズの肩を突く。


 広大なる二つの翼が、夕焼けの空に広がり。

ドラゴンの影が、地面を覆いつくす。


破壊と烈火のドラゴンは、あの地震が発生した時…

地震の原因を探るべく、偵察に向かっていた。


ゆえに、ドラゴンの帰還は。

地震源を特定した、と言うことになる。


レ二ズは、着陸地点まで、ドラゴンを迎えにゆくと。

「おーいフラムー!なんか、掴んだか?!」

破壊と烈火のドラゴンを「フラム」と呼んでみせた。


 ドラゴンの『フラム』は、まるで墜落するよう、派手に着陸すると。

火を吐くかのように、周りの仲間モンスターたちへ警告をする。


「あれは、地震じゃない!足音だ!ヤツだ、ヤツが…やってくるッ!」


そのとき…


ズドォン!


ズドォォン!!


ズドォォォン!!!


 壮大な「足音」が…

オレンジ色の空を揺るがしながら。

刻一刻と、この深淵洞窟に、歩みよってきていた。



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