表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/176

51話・文明の力は軽い?


 このクモは、かなり大きく…大人三人ほどのサイズがあった。


巨大なクモを前にして、兵士は唾を飲み込む。

「コイツ…奇行種か?」

どうやら、ここまでのサイズのクモは、初見みたいだ。


兵士は、後ろに飛んでから、相手(巨大クモ)から距離を取る。

一体、どんな攻撃が、繰り出されるのか?

まだ、想定できない内は、慎重に立ち回りたいのだろう。


「とった!」

ピッタリと照準を、敵(巨大クモ)の頭部へ…


一切の躊躇なく、引き金を引き。

銃声と共に、一発の銃弾が、繰り出される。


銃弾はまっすぐ、クモに直撃する…が。


カァアッンッ

間抜けな音と共に、いとも簡単に、跳弾してしまった。


クモの頑丈さに、うろたえる兵士。


対する巨大クモの方は。

一ミリも動じずに、じわりじわりと、距離を詰めてくる。

しかも、無数の目玉を、ギョロつかせながら…


 そんな、巨大クモの姿に。

兵士だけでなく、囚人たちも畏怖していた。


少年は震えながら、黒頭巾の少女の手を握る。

こんな状況であっても、彼女(黒頭巾の少女)は余裕の表情。

やさしく穏やかに、少年の頭を撫でてあげる。


しかし、この一時…

黒頭巾の少女と巨大クモ…両者の視線が交わった。


そして、彼女(黒頭巾の少女)が、クモに向かって、頷いた。

この行動はまるで、「意思疎通」を、しているみたいだ。


 彼女が頷くと同時に、もう一体…

他のモンスターが、奇襲をかけてくる。


灰色の肌に、細い手足、大きな口に、たるんだ耳。


「ゴブリン?!」

アントスの背後、最後尾の兵士が、警戒する。

その兵士は、風のメイスを、腰にぶら下げたまま。

とっさに、銃を構えるが。


灰色のゴブリンは、兵士の鼻の先まで、一瞬で迫りくると。

まるでボールのように、銃口を蹴り上げた。

ライフル銃が、蹴り飛ばされ、円を描きながら宙を舞う。


「軽い、軽い、かったるいねぇ~オモチャの鉄砲はぁ」

灰色のゴブリンが、軽い調子で言い捨て。


手慣れた手つきで、兵士の首に、チョップを繰り出す。


「ぐぅ」

兵士は呻きながら、顔面から地に倒れた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ