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17話・ようこそ♪ギルド区域へ

ブラッド王に励まされて…

混乱していた兵士が、少しずつ落ち着いてゆく。


ようやく落ち着いて、兵士は慎重に口を開いた。

「市民の暴動が、起きました」


「暴動?」

エルフの青年が、不思議そうに首を傾げた。

「はい、市街区の市場にて」


マシュルクで暴動?

聖なるエルフの都市で、暴動など在り得るのか?


エルフの青年は、疑心暗鬼に思ったが。

この兵士の表情は決して、デタラメを言っている面ではない。


ブラット王は、真剣にかつ、冷静に情報を整理する。

「被害は?」


「警備兵が3名ほど…」

ブラット王は、わかった…と、手を兵士の肩に乗せてから、次の指示をだす。

「まずは、暴動の鎮圧だね」


だが、兵士の方が、焦りながら現状を話す。

「いっ、いえ。暴動は鎮圧しました」


ブラッド王は、眉間にシワを寄せると、おおよその推測をする。

「こちらの兵が、止めたのかい?」


「いいえ」と、兵士は顔を伏せながら、説明してゆく。


「偶然、通りかかった『騎士団』の一味が…」


兵士は、苦々しい表情のまま、「とある騎士団」が暴動を抑えた事を話した。

ただの一般ギルドに、遅れを取ったなど…兵士のプライドが許さないのだろう。


しばらく間を空け、ブラッド王は、納得したように頷いた。

「そうか。そのギルドにはいずれ、礼をしないとね。でも、その前に」


「こちら(この城)で、負傷者の治療をしようか」


彼(ブラッド王)から命じられると、兵士は一礼して、王室から去ってゆく。

 

話がひと段落すると、再びブラッド王は書斎に戻る。

そして、研究所の書類をめくりながら。


「なにか、引っかかるんだよね」と、何気ない独り言を呟いた。


その呟きに、エルフの青年は不安を感じてしまう。


そう、彼は知っているから、ブラット王の勘が鋭いことを…




 マシュルク、南側…「ギルド区域」にて。


この南の区域では、集会所の群れが、建ち並んでいる。

白と黄色の煉瓦が、地面に敷き詰められ。


色鮮やかな通路が、バラバラの方向に広がり。

どの道も、複雑に入り組んでいた。


集会所の外面には、それぞれの個性があって。

それぞれの建物に、看板や装飾などが飾られ。

道行く人に、、アピールをしてゆく。


これらの看板には、魔術や剣術など…様々な印があって。

人々は皆、この看板を確認してから、建物の中へ入ってゆく。



そして「ディアトロ騎士団」も、このギルド区域に、到着していた。


彼らの予定では、昼頃に、集会所に着くはずだったのだが。

ここに来る道中、市街区の市場で、暴動に巻き込まれてしまったのだ。


この暴動は、ディアトロ一味が、何とか抑えたのだが。

手を貸した事で、いらない道草を食ってしまった。


リーダーのディアトロは、看板を確認しながら、急ぎ足で歩いていく。


ギルド区域は、昼の時間帯を過ぎると、混雑してしまう。

ゆえに、モタモタしていたら、あっという間に、休息の場が埋まるのだ。


急ぎ足のディアトロに、他のメンバーもついてゆく。


最後尾から、アントスも懸命にしがみつくが。

やはり、背中の荷物が重すぎて、この人混みを進むのは難しい。


アントスの前には、魔導士のソエフ。

歩く度にソエフのローブが揺れ、それを目印に、何とか逸れずにいた。


アントスは後ろから、ソエフの肩を覗いて見る。


ソエフのローブは、右肩の部位が破けており。

その破けた狭間から、爪で引っかかれたような「傷痕」があった。


このひっかき傷は、暴動を止めるとき、ソエフが負傷した傷だった。


まあ、傷といっても…

所詮は「引っかかれた」程度なので、誰も気にしていない。


早足で歩き続けて、疲れたのか?ソエフも若干、遅れている


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