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173話・祝福の日に、三つ編みが揺れる


そして…

この街、マシュルクにとって。

最も重要な「一大イベント」が開催された。


 イベントの内容は、2代目の皇帝「ブラッド王」のパレードであり。


 エルフに人間、戦士や勇者も…

街の皆が一丸となって、誇り高き彼(ブラッド王)を祝福する。


 また、このイベントの為。

他国の皇帝も、マシュルクを訪れ、莫大な予算を荷担してくれた。

それによって、なお一層…

このパレードは、賑やかな「お祭り」となった。


 街の隅々まで、色彩豊かな屋台が並び。

詩人や道化師、踊り子など、愉快な顔触れで賑わっている。


友人や仲間たちと、酒を酌み交わす戦士たち。


歌い踊り、笑い合う人々。


そして…大切な家族との「一時」を堪能する人々。


 そんな皆の「幸せ」を。

一人の少女が、お城の屋上から、見守っていた。


 外見からして、まだ12才ほど。

だが、その顔つきは、やけに大人びており。


三人のエルフの騎士が、彼女の事を護衛していた。


 騎士の一人が、彼女の背中に問う。


「皇帝…」


「参加されなくて、よろしいのですか?」


少女…いや「3代目皇帝」は、ゆっくりと頷く。

それと同時に、彼女(皇帝)の黒髪が、フワリ…と揺れた。


「ええ、わたし『だけ』なの…」


「閉幕を、見届けられるのは」


 彼女の不思議な台詞に…

護衛たちは、困ったように顔を見合わせた。


 だとしても。

少女はじっと、街の西側を見守っている。


すると、のんびりとした風が…彼女の黒髪を、やさしく撫でた。


綺麗な「三つ編み」が、穏やかに揺れる…




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