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165話・才能の見せ所


 アントスは「核」…赤髪の少女マゼンタから、視線を外した。

そして、シュタハスを助けるべく…蔦の中を、一気に突き進む。


「こっ!こないで!」


 だが、彼女シュタハスは、触手に襲われながら。


「はやく、とどめを!」


引き戻せ…と、精一杯叫んだ。

きっと、その台詞は「使命を果たせ」と告げている。


 だが、しかし…

たとえ「使命に反する」としても…

『冷酷に、なり切れない』アントスは、彼女シュタハスを救う選択肢を選んだ。


蔦の壁を、乱暴に掻き分けながら…

勢いのまま、フロラシオンの内部から脱出。

そこから真っすぐ、シュタハスの元へ。


 自分の腹部から、害虫アントスが、突然現れた事により。

フロラシオンの警戒が、更に研ぎ澄まされた。


アントスの頭上で、触手の群れが、ねり動き…

一本、また一本…と、触手の殺意が襲いかかってくる。


 彼は、まるで鼠の如く…這いずり回り、しぶとく逃げ続けた。

そして、触手の攻撃を、スレスレで避けてゆく。


 その勢いに乗せ、シュタハスの方へダイブ(飛びつき)。

彼女の足元にある「風のメイス」へ手をのばす。

 汗ばむ手で、ガッチリと、メイスを握りしめ…

風のメイスが、アントスに共鳴して、目まぐるしい光彩を放った。


 この瞬間、体の底から「風の力」が溢れてくる。

そして、全身全力で、風の力を解き放ってみせた。


「ああああああああああああああ!」


猛獣のような雄叫びを上げ、風のメイスで、フルスイング…


 その覇気に、応えたのか?

暴風どころではない…巨大な竜巻が立ち昇り。

辺りの触手を吹き飛ばし、花壇の花々を荒らしてゆく。


 シュタハスを拘束していた、触手の拘束も容易く解け…

彼女は驚きのあまり、黄金の目を丸くさせた。


「ふぅえェ~すご……」


彼女の身柄は自由となり…

アントスの「竜巻」は、次第に消えていった。




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