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150話・崇拝する世間


そして…

ただの偶然か?天からの悪戯か?


世界中の人々が、とある「存在」を崇拝し始めた。


 それこそが「シュタハス」。

再生を司る、偉大なる花々…


 シュタハスの名は、瞬く間に伝染してゆき。


皆が「再生の花」や「六華の種」というモノを、崇めていた。


 当然、ヘルツは「このチャンス」を見逃さない。

シュタハスの認知度を逆手に取り、多くの機関から、バックアップを受ける。

その援助は、彼の想像以上で。

一番大きかったのが「軍」による支援だった。


 先鋭の軍隊が、味方になれば、行動の幅だって拡大できる。

ゆえに、危険地帯さえも、視野に入れる事ができた。


 早速ヘルツは、軍の力をバックにつけ。

危険なダンジョン…モンスター領域「開花の森」へと進行した。

こちらには、軍のエース「重騎兵」だっていたし。

いともアッサリと、森の深部にまで到達できた。


 ここ(開花の森)を選んだのは、それなりの理由がある。

一つは、あえて危険な区域を選び、邪魔者(人間)の妨害を防ぐこと。

二つは、計算上…もし事故が起きても、モンスターの領域では、問題にならないこと。

三つは、自然豊かなこの地なら「シュタハス」が降りてくると…思い込んでいること。



 やがて、時が重なり。

「幻想領域・シュタハス」の研究は、姿を変えていった。


 そして、シュタハスの研究から、様々な派生が生まれてゆく。

そのパターン(派生)で、重要視されたのが。

シュタハスそのものを「召喚」させること…


現実の世界に、幻想の世界を、融合させてから…「不滅の理想郷」を創造しようと言うのだ。


 そんな途方もない野望だが…

ヘルツの読み通り「開花の森」だけが、召喚に相応しい環境だった。


 結果的に「研究所」が、設立される事となり。

白い華が記された旗が、高々と掲げられた。


研究所の周りは、巨大な城壁が建設されて。

外のモンスターだって、大した脅威にならなかった。


 このときから、邪魔や横やりもなく。

ヘルツのアイディアの限り、幾度の実験が重ねられてきた。


 そして…

幼き記憶の通り「白い花壇」を構築してから。

そのニセモノ(花壇)を守るように、ドーム状の建物を建造する。


 確かに、この花壇は、あの「幻想領域」と似ている。

だが…ヘルツが一番「所詮は贋作だと…」実感していた。


来る日も、来る日も。

幾多もの実験が行われ、努力や研究が泡となって消える。



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