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135話・沈む巨人


研究所の上空…

アントスは、フラム(ドラゴン)の背中から、顔を覗かせた。


 霧(Pウイルス)の濃度は、レ二ズの情報よりも濃く。

研究所の建物が、ボンヤリと、霧の中で佇んでいた。


「こんなの、どこに降りれば…」


 アントスは緊張しながら「ガスマスク(防護マスク)」を被る。


この防護マスクは…

深淵洞窟にて、レ二ズから貰った装備だ。

一応、防護性は中々だが、なにせ視界が悪かった。


 しかし、視界よりも、更にマズいのは…フラムの有様だ。


「あの…球体の建物…」


 血を吐き、ヨロヨロと…研究所の上を飛ぶ

だが、だとしても…

フラムは、死に物狂いで、ボロ雑巾のような翼を動かした。

もはや、その様は、そこらの「感染者」よりもゾンビらしい。


 虚ろな意識で、フラムは、ドーム状の建物を見定めた。


「あそこだけ、霧が…薄い…」


確かに、彼の言う通り。

その建物ドームの周辺だけは、緑の霧が薄まっていた。


「き、決めた…着陸するぞ」


そして、フラムは「安全」なドームを、着陸地点に選択する。

 

 ドラゴン(フラム)の背中から、アントスも、着陸地点を見下ろしてみた。

しかし、ガスマスクの視界が狭く…上手く情報を探れない。 

こんなにも都合よく、着陸できるのか?


「何か」が、起きるような気がしてならない。


「フラム、ちょっと、まっ」


 アントスの忠告を待たず、フラムが急降下を始める。


高度がぐっと下がり、アントスの体が宙に浮いた。

振り落とされないよう、ドラゴン(フラム)の鱗にしがみつく。


とは言っても…「速かった」のは最初だけ。

次第に、フラムの飛行速度は低下した。

もはや、降下する気力すら、無いのだろう…

 

 少しずつ、高度が下がってゆき。

アントスにも、ドームの情報が、目視できるようになる。


そして、ドームの建物まで、接近したとき。

手始めに、待ち受けていた光景は…

正真正銘「倒れた」水の巨人そのものだった。


 ひょっとして、死しんでいるのか…?


水の巨人は、仰向けに倒れたまま。

しかも、水晶の体には、無数の風穴があり。

その大きな手は、ピクリとも動かない。


 この「水の巨人」は、桁違いの力で、モンスターたちを薙ぎ払い。

いとも簡単に、シュタハスを、さらっていった。

そんな巨人が、こんな結末を迎えるなんて…


一体、ここで何が、待ち受けているのだろうか?



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