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106話・『六華の種』なら、翼を治せる

「六華の種」は、四章の87話にて登場します。



全ての情報が、悪い内容ばかり…


だとしても、アントスは、諦めずに考え続けた。


世界を救うなんて。

そんな壮大なこと、想像すらできない…

でも、シュタハス一人すら、助けられないのなら。

一体、この先に、何を救えるのだろうか?


諦めたくない、絶対に、突破口を見つけてやる。

アントスの目は、沈んだ空気の中でも、諦めていなかった。


そして、諦めの悪い、この男の姿が。

傷ついたフラムには、輝いてみえたのだ。


瀕死のドラゴンは、フッと、呆れたように笑い。

衰弱した声で、とある提案をした。


「いいや、一つだけ。突破口がある」


「ウイルスの霧が覆っているのは、あくまで『周り』だけ…つまり」


フラムは、ボロボロに傷ついた翼を広げ、三人へ視線をやる。


その考えを、汲み取るように、レ二ズが結論を述べた。


「上空から、いける…な」


つまり、ウイルスに囲まれているのは、地上までで。

研究所の真上には、緑の霧はない。

ゆえに、上空から降下すれば、Pウイルスに阻まれることはない。


だが、この作戦の実行には「飛行型のモンスター」が必須。

無論、ワイズとレ二ズに、飛ぶ能力はないので…

可能性はともかく、この作戦の将来性は、ゼロに等しかった。


「飛べるヤツがいねぇ。却下だな」


言い捨てるレ二ズに、フラムは大きく踏み込んだ。


「ここに…いる」


フラムは勢いよく、自ら申し出るが。

その包帯だらけの姿は、とても飛行できる状態ではない。


踏み込んだと同時に、頭から地面に落ちてしまう。

ゴブリン兵たちが、倒れたフラムに駆け寄り、面倒くさそうに治療に移る。


フラムの傷口に、包帯を雑に巻きながら、ゴブリン兵の一人がボヤいた。


「あーあ『六華の種』ならなー」


その単語に、レ二ズは閃いた。


「それッそれだよ!六華の種だよ!」


シュタハスが、モンスターたちに与えた、再生と治癒の種。

『六華の種』があれば…フラムの傷を、治療できるかもしれない。


その効果が、本物かどうかは分からない。

それでも…レ二ズは、あの種に一つ、賭けてみようと思った。


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