試験3
「あースカッとした!!」
夏野は元気な笑顔を浮かべる。
「最後の爆発、あれ完全に私怨でしょ!」
「まあな、スカッとしたかったからな」
だよねー!と夏野が笑顔で言う。
「次が最後か、案外余裕なのかもな!」
「そうですね!この調子なら合格できそうです!」
拓哉の天狗発言にマナも同意する。
「お、そろそろ時間だ、行ってきまーす」
「頑張ってくださーい!」
「頑張ってね」
拓哉がゲートに入るのを二人は見送った。
そして
「両者、構え!」
試験官の合図で拓哉は小刀を構える。しかし
なんだあいつ・・・武器を何も持ってないぞ?
相手は何も持っていなかった。通常、戦いの場では、魔法だけではなく、武器を使うのが一般的だ。
例外として、魔力に絶対的な力がある場合を除いて
「始め!」
試験官の合図と共に、拓哉は呪符を投げつけた。
しかし相手はよけようとせず、手を前に伸ばす
「・・・《#封印__リブート__#》」
相手がそう唱えた瞬間、呪符がただの紙のように地面へゆっくりと落ちた。
「な!?」
「そういえば名前を言ってなかったな、俺の名前はスヴェートだ、よろしく」
スヴェートは頭を掻きながらいった。
クソッ!呪符が効かない!?じゃあこれしかねえ!
拓哉は小刀を握りしめ、スヴェートに突撃する
しかし
「《#封印__リブート__#》」
今度は小刀の魔法を無効化された。
「ックソ!」
オートカウンターが解除されれば、拓哉は刀を上手く扱うことはできない。
急いで拓哉はスヴェートから距離をとろうとするが、その前にスヴェートに蹴り飛ばされる。
どうする・・・考えろ、考えろ!!
「《#光の雨__レイライト__#》」
しかし、考える暇を与えないとえも言うように、追い打ちとして大量の光の槍が拓哉に襲い掛かる
「ッツ!」
拓哉は急いで護符により自分の周りに結界を張る。しかし
「無駄だよ、《#封印__リブート__#》」
護符が封印され、光の槍が拓哉を襲う。
「グハッ!!」
拓哉は回避しようとしたが、すべては回避しきれず、攻撃をくらう。
どうする・・・考えろ、考えろ、考えろ
そして拓哉は腰についてある呪符をしまうためのケースに手を伸ばし、中に入っていた呪符をすべて手に取り、スヴェートに投げつける。
呪符は炎の矢になり、また、視界を遮るための煙幕も発生した。
「あまいな、《#封印__リブート__#》!」
スヴェートはそのまま後ろを向き
「陽動作戦のつもりか?」
後ろに回り込んだ拓哉を蹴り飛ばす
そのまま拓哉は吹き飛び、会場の壁にぶつかる。
「・・・術式解放」
拓哉は小声でつぶやくと、先程の呪符の中で、術を解放されていなかったため、#封印__リブート__#の影響を受けなかった三枚の呪符がスヴェートを襲った。
一枚は水となり、二枚目の呪符により発生した木が水を吸って成長する。そして三枚目が炎となり、成長した木を燃やして大炎となり、スヴェートに襲い掛かる。
「何!?」
スヴェートじは慌てて後ろを振り向き、封印しようとする
「ま、間に合わ・・・!」
大炎はスヴェートを包み込んだ。
「勝負あり!勝者、拓哉!」
「・・・ふう」
拓哉は力尽きてその場で倒れこんだ。