異世界転生しました
どこにでもいる普通の高校生、神木拓哉。
いや確かにそう言っときながらかわいい幼馴染がいたりハーレム状態だったりする主人公もいるのだが、拓哉は普通の中の普通の高校生だった。
しかし、拓哉にもとても仲がいい可愛い幼馴染はいた。拓哉はその子のことが好きだった。しかし、その子は中学の頃に突如行方不明となってしまったのだ。拓哉はその子のことが好きだった。初恋の相手だった。
その分ショックもひどかった。
お陰で二次元にしか興味がない立派なヲタクになってしまった。
特に猫耳美少女、部屋中猫耳美少女のポスター、フィギュア、抱き枕、絶対に友達に見せられない(まぁ友達なんていないのだが)
そんな拓哉にある日転機が訪れる。
「ん・・・?」
拓哉はふと目を開けた。なんだか体が重い。ドロっとしたような気持ち悪さがある。
あれ?俺、学校に向かってたと思うんだけど・・・
まだ拓哉の脳はあまり動かない。
しかし、目の前にはとても可愛い女の子がいた。
「大丈夫ですか?」
透き通った青い目、そしてショートカットの青い髪
アニメキャラみたいな可愛い子だな・・・こんな子に話しかけてもらえるなんて俺はついてるな
しかし、脳も動きだし、視界もはっきりしてくると、その美少女の頭に三角の突起が見えた。
『猫耳』である。
「猫耳ぃぃ!!!!」
「キャアァ!!!」
思わず拓哉は叫んでしまい、猫耳は手に持っていたオシポリを床に落としてしまう。
え?なにこれ、やばい、猫耳美少女だ!あ!携帯どこだ、写真撮りたい!
拓哉は携帯を探してポッケに手を突っ込んだ。しかしどこを探しても携帯の感覚がない。
「あれ?・・・携帯どこだ?」
「携帯・・・?なんですか?それ」
猫耳美少女は不思議そうな顔をして尋ねる。
え?携帯を知らないの?あ!スマホって言葉しか知らないのか!現代っ子だなぁ
「スマホのことだよ」
「スマフォ?」
さらに猫耳美少女は不思議そうに首をかしげる。
え・・・?なにこの子、どんな教育受けてんの?
そんなことを考えてると、拓哉はあることに気付く。
あれ・・?この子の猫耳・・・コスプレかと思ったけど生えてない?
そう、美少女の猫耳が、ピクピク動いていて、美少女の頭から『生えている』のだ。
「ホンモノ猫耳美少女キタァ!!!」
やばい、ホンモノだ、しかも美少女!生きててヨカッタァ!!
しかし、そこで冷静さを失い、ハイテンションのままで入られるほど拓哉は馬鹿ではない。
まてよ?普通現実に猫耳美少女何ているはずないよな・・・
「なんだ夢か・・・」
拓哉は明らかに落ち込んだように言った。
「夢じゃないわよ」
すると反対側から声がした。
振り向くと、そこにはまたまた美少女がいた。しかし猫耳は生えていない。しかし、その顔には見覚えがあった。
いや、そんなはずはない、だってあいつは!
「な・・・夏野?」
そう、それは中学の頃に行方不明となったはずの夏野の姿だった。
「久しぶり、拓哉」
「久しぶて、え、ん?えぇ!?」
頭が混乱しまくってる拓哉にさらに追い討ちがはいる。
「あ、あと拓哉、これは夢じゃないわよ、」
「・・・え?」
「あなた、死んだのよ。」
「・・・え?」
「ええええええ!!!???」