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恋愛債務者  作者: 柚姫
3/3

2話

 「俺、童貞じゃないよ」

 ざわつく周りと同時に、俺の胸もどくりと鳴った。

 「素人童貞だけどね」

 また同時に笑い声も響く。安堵を秘めて。

 「それってどんなかんじだったの?」

 「かわいかった?」

 「いくら?」

 質問攻めの友人と、質問しかない俺の仲間。

 一緒なんだと安心する。

 でも俺とは違うんだなとも思う、昨日までと同じように接せない。

 「行ってみたいけどさ」

 けどさ、で終わる自分と、終わらない友人。

 何が違うのか。不安が胸を締め付ける。


 帰りの電車の中で、検索キーワードを何度も変える自分がいた。

 所謂、デリバリーヘルス、ソープランドなにがいいのかわからない。

 でも、捨てられる場所。

 金銭的にも、行動も限られる中で何度も検索した。

 

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