epilogue / Cliche of the android maiden......_
四月五日。
さむい冬のきせつがおわって、あたかくなってきました。
お庭にあるさくらの木にはひとつだけさいたお花がおひさまに顔をうつむけています。きっとまぶしいのだと思います。
今日からぼくは日記を書きます。先生が書くとびょうきがはやく治るからと言たのです。
ぼくの頭の中にはびょうきがすんでいたと、先生とかんごふさんが言ていました。少しまえまでぼくはこうこうという場しょにかよっていたみたいなのですが、そのびょうきのせいでぼくは入いんしているのだと教えてもらいました。
ぼくにはそれが思い出せません。
わすれてしまているのです。
でも先生もかんごふさんもみんないい人なのでさみしくありません。リハビリでいろんなことを教えてもらえるのはとても楽しいです。今日はかん字を少しおぼえました。むずかしいかたちなのでなかなかおぼえられません。でもそれでもおぼえるのがはやいと先生がほめてくれたのでぼくはうれしくなりました。
ほめられるのはとてもうれしいです。だからあしたも、もっともっとがんばります。
たいへんだ!
さっきねようとしたら頭の中になにかうかんできたのです。こんなことははぢめてでびくりだ。
たぶん字だと思います。
こんなかたちをしていました。
<re:『Happy Birthday to Me』>
なんてかいてあるのかぼくにはわかりません。
けれどちゃんとおぼえているので、あした先生にきいてみようと思います。
ぼくはもうわすれたくないのです。
それにこのかたちをみていると、なんでかわかりませんがむねのところがぎゅっとされているようなかんじになります。なんでだろう。ぼくがしらないから、そのりゆうもわかりません。
いろんなことをしりたいな。
そうすればこのかたちのいみがわかるのに。