第1話 出会い
「あぁ腹へったな~」
俺の名前は紅15歳
農民として生まれて畑を耕し生活をしている。
来る日も来る日も同じ事の繰り返しだ。
「おぁ疲れた。腰が痛い」
「何を言ってるだい。食うためには仕方ないだろ」
お袋はいつも駄々をこねる俺にこういい続けた。
「だってよ、いつまでたったもこのままじゃ辛いだけじゃねーか。また納税引き上げになったんだろ。俺は何の為に生きてるんだかわかんねーよ」
「何の為にって生きる為に決まってるだろ。畑仕事もしなくなったら飢え死にだよ。そんなの嫌だろ?しっかり働きな」
そんなある日の村で。
「山賊だ、山賊が襲ってきたぞ。みんな逃げろー」
来やがった。この小さな村じゃお宝なんてありゃしねーのに。早くお袋連れて逃げなきゃ。
そこへ20人位だろうか山賊どもが集まって民家に火を放ちながらやって来た。
「おらおら死ねー。いいか野郎共、女以外は皆殺しだ。やっちまえ」
村人の悲鳴が飛び交っている。斬られる男たち。連れられる女たち。
こんな村には武士や用心棒などいるわけもなく。殺られ放題の有り様だった。
そんな中俺はお袋を助ける為に家へと全力で向かっていた。無事でいてくれよ。
家はまだ焼かれていなかった。すると家の影からお袋が出てきた。
「お袋大丈夫か?」
「紅生きてたのかい。今すぐ逃げるんだ。殺されちまうよ。」
「一緒に逃げようお袋」
「あぁ」
そして二人は手を繋いで走ろうとした。だか
「なんだこんな所にも女いるじゃねーか。しかもべっぴんさん」
するとお袋は山賊に腕を取られた。
「お袋ー」
「紅いいから逃げなさい。早く」
俺は逃げられなかった。お袋をおいて逃げられるものか。
「山賊め殺してやる」
「ガキ一人でどうにかなるとでも思ってんのか?」
向かっていった俺に山賊が刀で襲いかかってきた。
「死ねくそガキ」
山賊は大きく振りかぶり剣を振り下ろす。
やっぱりダメかと思って俺は斬られる瞬間めを閉じてしまった。
グサっと音がした。ただ斬られた筈なのになぜか暖かい。
目を開けるとそこには捕まっていたはずのお袋が俺を庇って背中から切られていた。
「いいから逃げろって言ったろ。バカ紅」
その一言を言うとお袋は首がガクンとさがり死んでしまった。
「あぁお袋」俺は泣き叫んだ。
すると山賊の一人が
「ったく殺しちまったじゃねーかくそガキ。タイプたったのに。お前も一緒に死んどけよ」
すると男は振りかぶり剣を下ろして来た。
あぁくそ山賊が憎い。俺はこんなとろで終われねぇ。
今まで必死に生きてきたんだ。辛くても頑張ったんだ。なのにお袋を目の前で殺されて俺はおしまいなのかよ。頼む誰か俺に力を貸してくれ…。
「汝、悔しいか?」
ふと声がした。誰だ?
「汝、悔しいか?あの人間が憎いのか?」
あぁ悔しいよ。こんなところで俺は終われねー。
「ならば汝、我と契約しろ。すればあの者共を蹴散らす力を与えよう」
本当か?契約と言うことはお前は何を望んでいる?
代償はなんだ?
「汝、我が欲する望みは只一つ最強の証だ。戦い続けろ」
そう言うことなら契約成立だ。力を貸せ。
「汝よ我が名を叫べ」
「来いプレオ」
カキーン。山賊が驚きの顔する。それもそのはず、先ほどまで普通だった子供の腕が紫色をし、刀でのように変形していたからである。
力が全身からみなぎる。これならやれる。
「ひー化け物だ。助けてくれ」
山賊の男は血相変えて逃げ出した。
「逃がすかよ。お袋の仇」
ブシャー、男は真っ二つに斬られた。
「ガキが調子に乗ってんじゃねーぞ」
そこへ残りの山賊が集まって来た。
囲まれた。15人ぐらいだらうか。
「この人数ではどうにもなるまい化け物よ」
負ける訳には行かねー。
「紅よ、我の力を使え」
行くぜ。手に力を込める。
「フルバースト」
すると剣の部分はメラメラと炎に覆われ火の力を宿した剣へと変化した。
「くらえー」
バシューン。山賊たちはいきなり半分以上が斬られた。剣も鎧も関係なく真っ二つでる。
「うわぁーやっぱり化け物だ。殺される」
残りの山賊どもは全員逃げ出した。
ふぅ~生き残った。
緊張がぬけそのまま力尽き地べたに倒れこんだ。
「お袋、仇取ったぞ」