パーティ結成
一人称がわかりづらいので表記だけ変更しました。
俺=ヨヅキ オレ=シュウ
で今後も書いていこうと思います!過去の話も編集いたしました。
読んでくださりありがとうございます!
次回は火曜あたりに更新したい気持ち!!
「一緒にやるんでいいよな、シュウ。」
「もちろん。支援科はアヤメがいるとして、最低あと一人はいるな。個人的には支援科が欲しいが…」
二人で周りを見渡す。ヨヅキたちは現状だと三人、すでにあらかじめ友人だった者同士で組んでいるところが多い。
ヨヅキとシュウと同じように、仲のいい人と組んでから足りない人をパーティに入れるつもりなのだろう。支援科はどうなっているのか…。
「あと一人、どうするの?」
悩んでいると、いつの間にか近くに来ていたアヤメに声を掛けられる。見たところ一人だが、俺たちと組むのはアヤメの中で確定事項らしい。
「アヤメ、最低でもあと一人だからな。」
「でも一人いれば問題なく組めるでしょ?あんまり増えるのは私ちょっと…。」
「…初日のあれ見ると何とも言えん。とりあえず支援科の方探しにいこうぜ。」
三人で支援科の方に向かう。
支援科の人数は戦闘科より少し多く。こちらも既に仲の良い人同士で集まっている。
というか、なぜか三人組で集まっているところが多い。今から一人だけ引き抜くというのは上手くいかなそうだ。
その様子を見て三人で悩む。
「欲張らずこっちで一人見繕っておくべきだったか?」
「一人だけ呼び込むのも無理そうよね。戦闘科も固まってた人多いし。」
「案外俺たちと同じような悩みでも抱えてんのかね…。マシュー先生に相談してみるか?」
「「あり。」」
なんとなく言った発言をアヤメとシュウの二人が肯定する。探すのを一度諦め、マシューの所へ向かった。
マシューは少し離れたところにいた。
道具が積まれた木箱に腰掛け、時々生徒たちの方を見ながら、本に何かを書いている。向かっている途中でこちらに気が付いたのか、目が合うと書き込むのを止めて声を掛けてくる。
「おや、パーティが組めたのかな?それにしては人数が足りなそうだけど。」
「いや、まだ組めてなくて。それで相談しに来ました。」
そう伝えると、何か書いた後に本を閉じた。
「それならさっきパーティについて相談しに来た生徒がいるよ、ほら。」
そう言ってマシューは視線で促す。
三人でそちらを見れば、少し離れたところで何かを手に取って話している二人組がいた。
「もし君たちが人数で悩んでるんだったら、ちょうどいいと思うよ。話してみれば?」
マシューは笑顔でそれだけ伝えると、再び本を開き何かを書き始めた。
*****
「これとかは?」
「いらない。」
「じゃあこれは?」
「何も持たない方がマシ。」
「そんなに!?」
「あのー、ちょっといい?」
「「ん?」」
道具を漁りながら話していた男子生徒たちが振り返る。
「マシュー先生からパーティについて相談したって聞いたんだけど…。」
「そうなんだよ、僕たち人数どうしようかと思ってて…。」
「失礼ですけど、あなたたちは?」
「俺はヨヅキ。実は俺たちも人数困ってて…。」
「オレはシュウだ。できればバランス取りたくてな?」
青い髪をした生徒の質問に、俺とシュウが名乗りながら事情を話した…。
*****
「なるほど。それで私たちのところに。」
「僕らもパーティのバランス悩んでたんだ、奇遇。」
「んで、あんたら二人のことを教えてくれよ。」
シュウがそのまま聞くと、二人も自己紹介を始める。
「私はルートです。戦闘魔法科所属。それでこっちは…。」
「僕はジェン、支援魔法科だよ。」
青い髪と緑の目を持ち、落ち着いた雰囲気で槌を持った生徒が戦闘科のルート。明めの黒髪で、水色の目の穏やかな雰囲気の生徒がジェンだ。ジェンは杖を持ちながら、腰に小さめの片手剣を差している。
「シュウとヨヅキは見たところ戦闘科ですね?それで、後ろの白髪の彼女は?」
「…アヤメです。支援魔法科です。」
後ろにいたアヤメが最後に自己紹介をする。いつも以上に大人しい気がする。
アヤメの名前を聞くと、ルートとジェンが何かに気づいたように声を上げた。
「昨日噂になってた子?」
「同じ人でしょう。ヨヅキもそうですが、珍しい容姿の人がそんな何人もいるとは思えませんし。」
「確かにそうかも。」
「あぁやっぱり…。」
アヤメが絶望した声を上げ、杖を抱えて蹲る。なんとなく予想できるが、ジェンが言った噂について尋ねる。
「アヤメってなんか噂になってんの?」
「ほら、昨日人だかり作ってたじゃん?あれの原因が支援科でやった魔力の測定だったんだけど…」
そう言ってジェンが昨日の支援魔法科で起きたことを話してくれた―――。
「お前そんなことしたの。」
「私だってやりたくてやったわけじゃ…。」
昔からガリウスとかが才能あるとは言っていたが、学園で話題になるほどとは思ってなかった。
俺よりちょっと扱い方が上手い程度の認識だったのに。
「まぁアヤメさんもそうですが、ヨヅキもそれなりに噂になってますよ。」
俺も噂になっていた。
「え、俺も?なんで?」
「普通に髪と目。第一印象で珍しいって誰でも思うって。」
「一人でも結構目立つのに、二人いたら余計目立ちますよ。そのうえであんなことやれば、ヨヅキだって何かあるんじゃないかと思われるでしょう。」
「そりゃそうだ。」
二人の指摘にシュウも笑いながら同意する。街でも学園でも見られるので、まだ二日だというのにあまり気にしなくなっていた。しかし思っていた以上に目を引いているらしい。
アヤメはそもそも慣れてすらいなさそうだ。元々目立つのは嫌がるタイプでもあったしな。
「それはそれとしてだ。人数もバランスもちょうどいいし、オレたちでパーティ組もうぜ。」
逸れた話題をシュウがもとに戻す。
戦闘科が三人、支援科が二人。それぞれが前衛と後衛だとしても問題なさそうだ。
「俺もいいと思う。アヤメも大丈夫…だよな?」
「大丈夫。」
「こちらとしてはむしろ願ったりです。」
「僕も賛成。」
「じゃあ決まりだな。マシュー先生に報告してこよう。」
*****
「君たち五人でパーティだね。じゃあはいこれ。」
そう言ってマシューは厚めの本を二冊、アヤメとジェンに渡した。
アヤメは渡された本を不思議そうに眺めながら、マシューに尋ねる。
「これは?」
「魔本だよ。中を開くと簡単な魔法が書かれてる。」
魔本。特殊な素材でできた本であり、その本に書かれた魔法は魔力を使えば誰でも使えるという代物。安くはないが、一般にも流通している本だ。
魔力の使い方さえ知っていればどんな人でも簡単に魔法を唱えることができる。
「その魔本には『道標』と『火炎』、『防御盾』が書かれてる。本を開いて使いたい魔法を言えば、魔力を使用して魔法を使ってくれる。」
「なんで僕たちにこれを?」
「魔力を使えても全員魔法が使えるわけじゃないから、支援科の生徒には渡してる。普通に覚えた方使うより消費重いから、魔法が使えるなら使わなくてもいい。」
「先生、俺たちは?」
「君たちにはこれ。」
そう言って液体に入った小瓶を三本渡される。回復薬だ。
「一人一本想定かな。」
「魔本みたいなのは…。」
「戦闘科でしょ?頑張れ。」
回復薬以外は本当に無いらしい。支援科の二人と比べると扱いがまるで違う気がする。
俺たちがそれぞれ分配すると、マシューがついてくるように言って先導し始めた。
「魔法師が先に魔窟に入って小鬼以外は倒してくれてる。小鬼は見つけ次第倒して、心臓部分にある魔石を回収してから出てきてね。」
「実戦になりますよね、危なくなったときはどうすればいいですか?」
「一応、死にそうなときは魔法師がすぐに助けに来てくれるから安心して。」
ルートの質問にそう答え、マシューが魔窟の入り口で立ち止まる。先ほど固まっていた場所から遠くない位置に入り口はあった。
「今回の魔窟は生徒で君たちが一番乗りだ。まぁ結構ぶっつけ本番だけど、上手くいかなくても死にはしない。」
「思ってたよりぬるっと本番で緊張が追い付かないんですが。」
俺の発言に他のメンバーも首を縦に振って頷く。
その反応を見て、困った様子でマシューは教えてくれた。
「私もどうかと思うけど、今後のためにもできる限りさらっと済ませておきたいんだ。実際に戦闘出来たらハッピー。」
「先生の都合じゃないんすね。」
「私はちゃんと君たちを魔法師として育てるつもりだよ、シュウ君。もし小鬼に遭遇したら、できる限り戦ってくることだ。今日が終われば、君たちには本格的に指導できるから頑張って。」
そう言ってマシューは持っていた本に再び何かを書き込み、俺たちを見送る。
入り口の中を見れば薄暗い空間が広がり、何かがうろついているような気配もある。
俺たちは全員で魔窟の中へと入って行った―――。
これは主要(予定)キャラの髪色と目のイメージですが
ヨヅキ=真っ黒と錫色
アヤメ=真っ白と薄めのあやめ色
シュウ=ワインレッドとオレンジ
ルート=マリンブルーとエメラルドグリーン
ジェン=アッシュグレーと縹色
のイメージ。




