1.日常と極彩色
初投稿につき、不慣れな点、読みにくい箇所あると思いますが、今後楽しんでいただけると幸いです。
平凡な人生には刺激が必要だ。これは僕の持論であるが、生まれて21年、大学生4年にまでなってたどり着いた結論であり、今後の人生の座右の銘にしようかと思っている信念だ。この信念にたどり着いた経緯はいたって単純なものだ。ただ、自分が大学も卒業かという時期に差し掛かり、改めて自分の人生を振り返ってみたのだ。そしたら、驚くべき事実に気づいた。いや、気づいてしまった。いや、、、、僕の人生、何も起きてなさすぎだろっ‼‼‼
何かイベントあるだろっ‼ライフイベント起伏なさすぎだよ。人生を映画にしても30分程度の短編ドキュメンタリとしてまとめられちゃうよ!漫画なら打ち切り待ったなしだし、人生ゲームだったらクソゲー確定ですよ。詰んでないだけありがたいけど、止まるマスの内容薄すぎて、エンタメとしては終わってますわ笑。だれがこの人生ゲーム買うんだよ.....平穏無事すぎて味しないよぉ。
なーんて、考えてしまったことが事の経緯だった。さすがの僕でも、現状に何らかの不安を感じたと言いうことだ。結局流されるまま生きてきた自分が一番の原因ではあるのだが、そこは、まあ目をつむっておこう。これからは、自分の選択に少しでも責任を持とうって決めたわけで.....とにかく、人生に刺激がなければ、張り合いがないって話だ。
何か自分に無いもの、特別な何かを望んでしまう、このないものねだりは人間としてしょうがないことなのかもしれないけどな、
なんて一人思っていた。
結局、人生に刺激を、、だなんて考えるだけで何かが変わるわけでもないし、今日も代わり映えのしない日常を謳歌しようと思っていた。
実際、今日が特別であることの前兆なんて全くなかったのだ。まさか人生の刺激と呼ぶことができる出来事が起きるとは思っていなかった。朝のコーヒーは美味しかったし、少し豆の量が多かったのか、いつもより味が濃く感じられたけど、他に変わったことはなかった。今日は、2月のわりに暖かったけど、記録的な暑さというわけでもなかった。
春らしくなったな、なんて考えながら、上着を手に持ち、いつもの大学への道を歩いていただけだった。すれ違った高校生は二人、手をつなぎながらほほえましい様子で話をしていた。イヤホンをしていたから内容は聞こえなかったけど、雰囲気だけでもわかるものがあるだろう?そんな、自身には存在しなかった薔薇色を横目にひっそりと歩みを進めていた。自分との対比でいやでも卑屈になりそうではあったが、それを表面に出すほど、子供ではいられない。かなしいかな、この陰鬱とした気持ちは僕だけのものなんだ。そんなくだらないことをぼんやりと考えながら歩みを進める。
でも、こんなことを考えてしまったからだろうか、ふと気づいてしまった。刺激とは、変化とは、、、恐らくなんの前兆もないからこそ人の人生にとっての強烈な何かを残すのだと。人生における変化は自身の望んだ形、タイミングで到来するものではない。自分の選択、意志などとはお構いなしに戸口をたたいてくるものなのだ。だからこそ、なるほど、、、自身の記憶、人生に染み付くほどの鮮やかな色をしているのだと。
僕、藤村ヒロはこの瞬間を以て悟った。でも、もう遅い。僕の人生はこの「異世界転移」という事象によって、残酷に、暴虐的に、そして苛烈に塗り替えらえてしまったのだから。
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