元引きこもりの学校生活7
何で俺が今殴られたんだ?
右頬が痛いんだけど?
「あのー俺、秋野ってやつじゃなくて、谷戸千尋なんですけど……」
「何を言っている? 君はどう見ても私のクラスの生徒、秋野裕也だろ?」
えっ? この人は何をいているのだろうか? 俺は谷戸千尋でさっきまで部屋で寝て……って違った……そうだ俺はよくわからないが秋野裕也の体に入っていて保健室で寝ているのだった。
そして、今俺の目の前にいるのはきっとさっきの写真に載っていた七瀬先生だろう。
先生はジャージ姿で俺の横の見舞いの生徒や教師が座る用の椅子に腰かけていた。
「いた―、ちょっと、今のは強すぎないですか? 先生のせいで自分が誰だかわかんなくなったじゃないですかー」
「私は悪いことをしている生徒には体罰をしていいと思っているのだよ」
まさかこの時代に体罰を是としている教師がいるとは……
「それよりも、私が聞きたいのは君が谷戸千尋だということなのだが? それはどういうことかね?」
あっ、ばれました、何とか話を曝せたかなと思ったんですけどね。
やばい、どう言い訳したらいいのだろう?
「秋野チェック」
「はい?」
「秋野裕也の所属の部活は?」
「……サッカー部?」
「秋野裕也の入学時のテストの合計点は?」
「えっと、三百点?」
「秋野裕也の出身中学は」
「……ど、こ、でしたっけ?」
これはダメだろ、分かるわけない……
「で、改めて、君は秋野裕也君で間違えは無いかな?」
「……すいません……谷戸千尋です」
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