2話 流石です
引越し業者はすぐに到着。
私の荷物を順々に引越し先の住宅に運んでいきます。
私の引越し先は…ふふ。私がもともといつか住もう!と思って買っておいた二人の愛の巣。(これからなるはず。)
ウィアドル様はですね、当然引越しというものをもとの世界にいたときから知っているのですよ。ですから私に今朝こんなものを持たせたわけです。
今朝~~~~~~~~
「今日引越し、だったよな?」
「はい、引っ越しですけど、何か?」
「もとの世界で引っ越しを経験しているが…この世界の引っ越しも見てみたいんだ。だが行くと何も知らないので迷惑になることは間違いない。なのだから、これを耳につけてくれないか?」
「耳に?これ、なんですか?イアリングですか
?」
「イアリング型の通信機だ。」
「通信機?」
「ああ。この通信機は私の魔術で作ったものだ。現場の状況を、このスクリーンに映し出すとともに、君と連絡を取れるようにしてある。」
「おお!すごいですね〜!でも、なんでこんなものを?」
ウィアドル様なら間違い無くその場の状況を通信機などを介さずにスクリーンに移すことぐらい出来るはずなのだ。確実に。
「私もわざわざ通信機など作る必要がなかったのだが、昨日スマホを見せてもらっただろう?」
「ええ。」
「この世界は透視系になれていないと感じたのだ。それに君もどこから見られているのかわからないと、集中できないのではないか。」
はい、そのとおりです。
透視で見てるぞ〜なんて言われたら、どこから見られてるのかと気が気じゃないですよ。
ソワソワしちゃいますよ。
「通信機つけますね。耳にっと、」
装着完了。
うまく付けているかと聞くと、少しずれていると言われ、間もなく手直しされた。
耳に吐息がかかると…。
やばい、ドキドキする。
推しキャラといえど、見慣れているといえど今の彼は間違いなく現実の一人の男性なわけで。
あ〜。やばい。一人の男性として意識してしまう…、
あっ。
ドキドキして顔真っ赤にした私のほっぺをむにゅっと今つつきましたね。
私が恥ずかしいってしってて。
ほら、ちょっと口角上がってますよ。
もう、貴方って人は。本当に。