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それでは行こうか、新しい世界へ  作者: もじら
新しい世界
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簡単なお仕事

 寝て、うんちしておしっこして、また寝て。腹が空いたらオッパイ飲んで、また寝てと。

 オシメを何回か取り替えて貰って、なんとなく分かって来た。俺、男だ。女の子に転生しなくて残念?


 赤ん坊という職業は、基本的に「寝て、排泄、授乳」のルーチンワークだ。たまに、意味も無く泣いたり、笑ったりする事も当然許される。

 そんな簡単なお仕事だ。だが、母親という上司が居る。

 嫌いな上司ならば、ハブれば済むのだが。でも、大大大大、大好きな上司だ。手間が掛からないよう、そして、気に入られるようにしたいものだ。

 だから、昼間も眠くなるのだが、なるべく我慢して起きていた。夜中の授乳排泄は、やはり重労働だからな。もっとも、俺の上司は大変若いので、体力的には問題無いとは思うのだけど。

 どちらかと言うと、心配するのは、育児ノイローゼかも知れない。だが、同年代の女性が居る様で心配は要らないのかも。

 まあ、泣くのは最低限、あとは目が合ったら笑う、これが気に入られるコツだろう。


 そんな、簡単なお仕事なので、大半は暇を持て余している。何しろ、昼間寝てしまうと、夜中に目が爛々と輝いてしまうからな。起きていると、腹は空くし、意識があれば、排泄もしよう。だから、可能な限り昼間に仕事をこなすのだ。


 だから、昼間の間は、地球で得てきた知識をナレッジを使わずにおさらいしていた。これで、かなり時間がつぶれる。

 あとは、毎日やって来る人の相手をしてあげる。ご丁寧に、俺に向かって色々と話してくれるのだが、残念ながら、まだ理解は出来ない。言語のコンテキストの問題だな。

 なにしろ、この部屋から出た事が無いので、比較対象が無い、分からない。

 ただし、日本語で言う所の『母親』は直ぐに分かった。『父親』もね。




 改めて、目の届く範囲で、俺が居る部屋を見てみる。とは言っても、まだ首も座っていないのだから、本当に限定的なのだけども。


 石造主体の木造家屋の様だ。部屋の広さはと、どうだろ。赤ん坊の目だからな。まあ、俺の部屋よりは随分と広いようには感じる。

 窓は……ああ、あるな。窓ガラスは、様々な色の小さな板ガラス、だろうか。木枠と金枠の間に挟まれていた。ステンドグラスのようだが、どうだろう。日本と比べると、決して明るいとは思えないけど。

 テレビ、パソコン、無さそうだね。コンセントも見当たらないしね。

 明りは……夜中に起きた時、多少明るかったけど、蝋燭か?日本では、仏壇の灯明しか見た事無いしな、よく分からん。


 だが、暖炉はあるようだ。石造主体と言ったのはそこだ。暖炉の所を中心に石造となっている。暖炉があるって事は、お金持ちの家なの??

 ともかく、暖炉には火が入っていないから、今は冬では無いのだろう。窓は開け放たれている事が多い。大人に取っては過ごしやすい季節なのだろうな。

 赤ん坊としては……よく分からん。

 おしめや肌着を頻繁に交換されているためか、汗疹にもなっていないようだ。まあ、この家に居る限り、快適に過ごせるのかもな。




 生まれてから何日経ったのか、正確には分からないが、一ヶ月は経ったろうか。相変わらず、昼間に頑張ってお仕事をこなしているので、夜中はかなり熟睡モードになっている。

 日本でも、一ヶ月を過ぎると、床上げ?なんて事するらしいね。まあ、夜中に泣かなくなったから、お袋の隣に、親父が寝るようになったよ。今まで、何処で寝ていたんだろうか。

 だが、毎日一緒という訳では無いようだ。一緒に寝るときには……以下、自主規制。


 しかしお盛んだな。少なくとも、俺が乳離れするまでは、妹弟が増えないでもらいたい。今仕込んだとして、生まれるのは……あ、この世界での妊娠期間って分からねぇ。

 地球と同じの十ヶ月でいいのか?もしかすると、授乳期間中は、妊娠しないって、オプション付きなのかも知れないぞ。後でナレッジしたときに確認しよう。




 生まれた時に、親父とお袋以外にいたあの三人。どうやら、親父、お袋含め、全員が同居しているようだ。なので、伯父、伯母?なのか。

 あの男の子は、俺の親父よりも、その伯父と思しき男性に引っ付いている事が多い。って事は、兄貴ではなく従兄弟になるのかも知れないな。


 その従兄弟は、毎日、飽きもせず、よく顔を見せてくれる。もしかすると、弟が出来たって喜んでいるのだろうか。そういうのは、自分の両親に頼んでくれ。

 でも、まあいいか。構って貰うのは有り難い。毎日やっている、地球の知識のおさらいも、そろそろネタが尽きてきたからな。

 相変わらず、話している内容は、ほぼ分からない。だが、相槌の代わりに笑ってやると、笑い返してくれる。うん、楽しいな。




 新たな登場人物だ。お袋と同じ位の歳?女性だ。どうやら、お袋と一緒になって俺のお世話をしてくれるらしい。

 そんなに、俺って手間が掛かるのかな。少し反省しなければ。


 その女性は、通いのようだ。夜中には見た事が無い。というか、俺も寝ているから分からないだけかも。

 授乳を除いて、オシメの交換と、俺のご機嫌取りが、主な仕事のようだ。

 ただ、簡単な仕事だから、俺のお世話以外にも、仕事を言いつけられているのかも知れないがね。


 お仕事を言いつけられているとしたら、同僚だ。

 つまり、俺が先輩って事になるのだな。でも、先輩風は吹かせた事ないよ。もちろんパワハラだって。でも、彼女が俺にセクハラして来るんだよな。どうしよう、上司に相談するべきだろうか。


 尤も、俺はセクハラとは思っちゃいないさ。そうか、対象者がセクハラと思わなければセクハラじゃ無いんだっけか。

 胸はお袋よりかは数段落ちるが、それでも大きい方だろう。やはり、女性は垂乳女に限るよな。

 同僚は、お袋が俺にオッパイを飲ませているのをじーっと見ている事が多い。で、この前から、実践していやがるよ。

 もちろん相手は俺だ。そう言うのは、自分の子供にやって下さい。

 まあ、今は、腹空いてないけど、乳首を銜えるのは嫌いじゃないからさ。そう割り切って、俺は、同僚のOJTに協力してやってる。


 同僚氏は、セクハラをさらにパワーアップした。

 触るだけではなく、含んで来たのだ。えーえーえー、まじっすか?

 流石に、俺のお袋だって、そんな事、してませんよ。親父にしているかは分からないけどな。

 そういうのは、まず、彼氏のでやってください。もしくは、俺が成長、もとい性徴してからにしてください。その時になって、まだ俺に対して、その積りがあるのであれば、ちゃんとお受けしますからね。ですから、あああ……

あと5-6話後に、名前や年齢が分かるようになっています。まあ、若いと言う事で、少なくとも二十台前半までの年齢である事は間違いありません。

赤ん坊のネタは、ほぼ、ひよ○clubを参考にしていたりします。

その中で、男の子のあれをぱくっとする、新米お母さんもいるとか、コラムに書いてありましたので、ネタとして使わせて頂きました。まあ、見た目可愛いですから、ぱくってしちゃうの分からないでも無いですけどね。転生して記憶がある赤ん坊にとっては、迷惑かもしれません。

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