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それでは行こうか、新しい世界へ  作者: もじら
プロローグ
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プロローグ_亜空間

プロローグ六話目です。

 飯を食い終わったので、家に一旦帰ろう。今度は、電車に乗る必要はない。近くにある公園まで歩いた。周りに人影は無い。

 その公園には、公衆トイレがあった。あまり綺麗じゃなさそう。個室は、ああ、開いているようだ。うぇ、く、くせぇ……個室には鍵は掛けずに入る。


「リターン・サブスペース」


 体感に軽い衝撃が走る。

 その瞬間に、周りがモノトーンになった。昨晩、トイレに起きた時と全く同じだ。もちろん、先程までの不快な臭いはしなくなっている。




 実は、このモノトーンの場所は、唯一、俺一人だけが入れる、亜空間と言う世界だ。

 昨晩は、固有技能を開放してはいなかったので、亜空間に入るための門、転進ゲートから亜空間に入ったのだと思う。

 この亜空間に入り、そして気が付いた。俺は『異世界移動能力者』であると。


 『異世界移動能力者』とは、複数の世界を渡り歩く事が出来る、特殊な能力を持った人間だ。

 タイムトラベラー?そんな安っぽい能力では無いさ。




 その亜空間だが、二層構造となっている。


 まず、今。居る所。


 ここは亜空間二層と言って、直前まで居た空間をシミュレートしている。

 亜空間二層に入るために「リターン・サブスペース」と詠唱した場所だけがカラーとなっていて、他はモノトーンになっている。人間も動物もモノトーンだから、『異世界移動能力者』にとって、今いる場所は、亜空間二層であると容易に認識出来る訳だ。


 亜空間二層に入る前の世界に戻る場合は簡単だ。単に「バックワード」と詠唱すると、その位置に、そのままの状態で戻る事になっている。

 ただし、元の世界は時間が完全に止まっている訳ではなく、千分の一の時間軸となっている。だから、あまり亜空間に居すぎると、消えている時間が長くなる。じっと見つめられていたら、消えたのに気が付くかも知れない。


 じゃあ、どれ位ならば問題無いのか、考えて見よう。

 テレビは動画ではなく、一秒間に三十フレームの静止画を流しているそうだ。一秒間に三十フレームと言えば、0.03秒ほどで一画面を見ていることになる。少なくともこれ以下の秒数ならば、消えて元に戻るというのであれば、不自然では無いのかも知れない。

 0.03秒を千倍すれば、三十秒だ。だとすれば、亜空間に三十秒位迄ならば、ばれないという事なのかもな。


 シミュレートマップなので、表示されている物体は全て虚像だ。触る事は出来ても、移動する事は出来ない。直前まで俺が見聞きした内容、そのままにシミュレートされているのだ。当然、臭いと言う事もない。


 自分がこの世界で行った事がある場所ならば、そこに、視点を変更する事は可能だ。ただし、最後に自身が見聞きした内容をシミュレートマップとして表示するので、今現在も同じ状態になっているかは、その限りでは無い。

 視点を変更して、その場所に自分を置き、「プロット・バックワード」と詠唱すると、シミュレートマップにプロットした場所、その格好で、直前まで居た世界に戻るという仕組みだ。

 もちろん、任意の地点なので、当然の事だが、足がかりが全く無い空中や、水中とかも指定可能ではある。お勧めはしないけどね。




 続いて二層の上にある一層目。


 ある意味、ここが亜空間の本体と言えるだろう。

 一層には、他の世界へのインターフェイスである亜空間二層に出入りするための、転送ゲートがある。異世界移動能力者は、全ての世界に行き来する事が出来る。全てという事は、転送ゲートの広さが無限に小さいと仮定しても、この亜空間一層の広さは無限と言う事になるだろう。

 また、それぞれの世界の時間軸は、絶対に交わる事は無い。強いて言えば、この亜空間一層を仲立ちとし、それぞれ相対して、時間が進んでいるという事になるのだろうか。

 だから、ここには、広さや時間という概念が無い、いや、存在し得ないのだ。


 無限にある世界だが、同一世界に異世界移動能力者は、同時に存在し得ない事になっている。所謂パラドックスと言う奴だ。

 だから、亜空間一層で開く転送ゲートの先には、この亜空間の持ち主である、俺以外に居ない事になっている。即ち、地球と言うか、地球が存在する世界に異世界移動能力者は、俺だけって事だ。




 俺は、シミュレートマッブの視点を変えて、俺の部屋の中に移動した。

 朝、出かけるときにデフォルト属性の固有結界としてきたので、少なくとも、俺以外は絶対に入る事が出来ない。だから、朝、俺が出て来た状態、そのままになっているはずだ。

 シミュレートマップ上では、俺が朝出て来た状態のままの、俺の部屋が表示されていた。当然だ、表示される情報は、俺が最後に見た状態だからな。

 だが、ここは、通常のシミュレートマップで表示される黒のモノトーンとは違い、固有結界である事を認識できるように、セピア色で表示されている。固有結界である事を識別するためだ。


 セピア色をした空間の中にある、扉の前に立った。


『プロット・バックワード』


 次の瞬間、シミュレートマップがフルカラーに変わる。もう、俺の部屋、固有結界の中だ。

 パッシブサーチは起動したままだったな。俺は、脳内に展開されているパッシブサーチの画面をチラ見する。お袋と千秋は、この周辺には居ないようだ。

 おお、やべぇ。土足のままだった。あ゛、あの汚いトイレに入ったんだっけ。シマッタ!!


 靴は玄関に置きに行く。帰りに雑巾を持って来て、部屋の中を拭いた。後は消臭剤を振り掛けておけば十分だろう。

色々な設定の説明回です。当初の設定に矛盾が無いように書いているつもりですが、今後の投稿にて、もしギャップがあればお知らせ下さい。

公園のトイレ、今では大分綺麗になりました。私が学生の頃は、とてもとてもで。特に、男女共用ですから、女性は絶対に入りませんでしたよね。今では、コンビニのトイレを重宝しておりますが、やはり共用は怖いです。お店の人がチェックしているのでしょうけど、この前なんか、盗撮カメラが仕掛けられていたとか、そんな事がありまして。

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