lv.2 修行
―北の町宿屋
賢者「すぅすぅ」
格闘王「んごごごごごごごご」
聖騎士「すやすや」
勇者「………よし」
ひょいっと
勇者「全員寝たな。はぁーあ、こんな夜中にしか修行する時間無いってどうなんだよ」
格闘王「ふごっ…!? あれ坊主どうした…もう朝か…?
勇者「びくっ! い、いやちょっとトイレに行くだけだよ。もう少し寝てて」
格闘王「そうか…んごごごごごごご」
勇者「ふぅ…早くいこっと」
―夜の町
勇者「さて、とりあえず今装備してるものはっと」
武器 E 初心者の剣
服 E 部屋着
手 E 手編みの手袋
頭 E 日曜学校で作った紙の冠
盾 E 辞書
勇者「………よくこの装備で俺が勇者って信じるよな」
格闘王『俺には分かる、その恰好ただものじゃねぇ!』
聖騎士『庶民の気持ちを理解しようとする、その姿勢が素敵な方だ』
賢者『昔から偉人というものは汚い恰好をあえてする人も多かったのよね…あたしにはとてもできない』
勇者「あいつら…よいしょしすぎだろ…さて、あいつらが稼いだ金で装備でも買うか…」
―武器の店
武器屋「らっしゃいこんな夜更けまでご苦労さん、何がほしいんだい?」
勇者「えーっとじゃあこの鉄の剣見せてくれる」
武器屋「あいよーどうぞ」
勇者「うおっ重っ」
武器屋「あー、それ重いんだったらおにいちゃん適正ないねぇ、そしたらこっちの爪は?」
勇者「これ…どう使うんですか?」
武器屋「わ、わかった!魔法使いタイプなんだな!この杖はどうだ!?魔力がぐーーんとあがるぞ」
勇者「呪文一個もわかりません」
武器屋「…よくそれで冒険してこれたね」
勇者「優秀すぎる仲間がいるもんで」
武器屋「そしたら、その仲間に頼っていった方がいい。この先は魔物もさらに強くなる。君に扱える武器もここにはないなぁ」
勇者「ん?奥にあるそれはなんですか?」
武器屋「ああ、間違って発注しちゃったんだよ。まったくこんな物誰が装備するんだか」
勇者「それ、ちょっと見せてください」
―防具の店
防具屋「本当にそれで…いいんですか?」
勇者「ああ、すごいしっくりくるんだ」
防具屋「わかりました、800Gになります」
武器 E 鉄のクワ
服 E 作業着
手 E 軍手
頭 E 手ぬぐい
盾 E カラス除けバルーン
勇者「ふ、ふふふふ…」
勇者 (悲しいよ…適性のある武防具がこれって…)
勇者「…き、きを取り直してモンスター退治しに行こう」
―町の外
勇者「さぁ来い、新装備の俺が相手だ」
キラーモンキーABCDEが現れた 闇魔導士ABが現れた 腐ったリンゴが現れた
勇者「数だけはいっちょ前にいるな。ちょうどいい経験値だぜっ…へぶしっ!」
キラーモンキーAの攻撃 Bの攻撃 Cの攻撃 …(ry 勇者「ちょっ」
闇魔道士は中級炎魔法を唱えた 腐ったリンゴは腐っている
勇者 \(^o^)/
―翌朝
格闘王「おい坊主ううううううううううううう」
聖騎士「なんてことだ……くそっ私がそばにいながらっ」
賢者「待って…究極蘇生魔法」
勇者は生き返った
勇者「あ、あれ?皆僕は」
格闘王「すまねぇ…俺があのときちゃんと止めてれば…」
勇者「いや、あれは僕が勝手に…
聖騎士「いいえ…悪いのは全て魔王です…こんなみすぼらしい格好をしてるのも全てやつの卑劣な罠に違いない!」
勇者「それはただ単に装備できるものがこれしか…」
賢者「許せない…絶対に許せない…色んな町を周りながらって思ってたけど…殺す…すぐにでも魔王殺す」
勇者「あのーみなさん…?」
聖騎士「行きましょう、魔王の城へ」
格闘王「あぁ…とても許された事じゃねぇしな」
賢者「魔王の城へ渡るアイテムは3日あれば私が手に入れるから。あなたたちその間勇者様の護衛をお願い」
勇者 (魔王かわいそう…)
次回 魔王の城潜入