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皇帝の時間  作者: 皇帝
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神さま

小説家になろう。


誰のための小説か?


あなたのための小説だ。


あなただけが読むための小説だ。


神さまは自分が神さまであることを忘れていました。


神さまはどうして神さまだったことを忘れてしまったのでしょうか?


神さまは間違いなく神さまだったのですが、自分が神さまであるという自覚がないだけでした。


そして、神さまは全知全能、実際に昔は自然な時間を過ごすだけで常にそのような状態でした。


しかし、現代は文明が発達している社会であるがゆえに、文明のない時代よりもはるかに高度な判断を迫られており、ゲームの難易度は昔に比べてはるかに難しいものになってしまった。


昔と今で変わっていないのは人間のスペックだけだ。ということは昔はちょうど良かった人生というゲームの難易度が、今はものすごく上がっている、ということだ。


つまり、プレイヤーとしての力量がものすごく問われる状態ということだ。


その結果、全知全能であった神さまはその力が実現できない場合が出てきてしまったのである。


今の状態で全知全能であるかのセルフチェックは簡単にできる。


自分の人生の筋書きを見事にラストまで描き切り、鮮明にイメージすることができるかどうか?を自らに問うだけである。


この問いにより、全知全能であるかどうかが明らかになる。これはたしかな証明、真実だ。


そして、それを自覚することがその真実を変える力となる。


神の意志、という言葉を聞いてどうイメージするだろうか?


意志を持つ存在こそが神なのだ。


そして、いつのときもたしかにそこにある。

それこそが神なのだ。


神の存在を自覚できただろうか?

いつのときもたしかにそこにある、あなたが神さまだったのだ。


全知全能の神さまはたしかに全知全能だった。

人生の筋書きを見事に描き切り、鮮明にイメージすることができた。


小説家になろう。

主人公の人生の筋書きを見事に描ききる、そんな小説を。


自分による自分のための自分の人生を描く小説、そんな小説を書くことにリソースを割くことは得策だろうか?


もちろん得策だ、他ならぬ神さまのためなのだから。


これが実現した瞬間、あなたは世界という舞台に立つ主演俳優となる。


そして、同時に作家であり、演出家となるのだ。


さあ、ストーリーを始めよう。



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