王子様を待つ少女たち、ハーレムを夢見る少年たち (。´・ω・)?
中学生の少女が、ある男子生徒から告白された。
すると少女は、喜ぶどころか泣き崩れてしまったという。
理由を聞けば、「私は、こんな人と同じレベルだと思われていたんだ」と。
告白した少年にとっては、なかなか残酷な話である。勇気を振り絞った結果、自分の存在そのものが相手を泣かせてしまったのだから、しばらく立ち直れないかもしれない。
しかし、だからといって少女だけを責めるのも違う気がする。
人間には昔から、自分にとってより魅力的な相手を求める傾向がある。
一般論として、女性は自分より社会的地位や能力の高い男性を望む傾向があると言われ、男性にはより多くの異性から選ばれたいという欲求が見られる。
もちろん、人間は遺伝子だけで動く機械ではない。
それでも、何万年もかけて形成された欲望の方向そのものを、完全になかったことにはできないだろう。
そこで私は、ふとネット小説の世界を思い出した。
異世界恋愛を開けば、平凡な少女が王子様、公爵、皇太子、果ては皇帝から愛される。
異世界ファンタジーを開けば、平凡だった青年の周囲に、美少女、王女、聖女、女騎士が次々と集まってくる。
女性向けでは猛烈な上方婚。
男性向けでは猛烈なハーレム。
人類が長年抱えてきた欲望を、現代の娯楽産業は実に正確に商品化しているのである。
娯楽なのだから、それ自体が悪いとは思わない。
ただ、本来なら人間の欲望を少し離れたところから眺め、ときには戒める役割も担ってきたはずの出版文化が、欲望にアクセルばかり踏ませてよいものなのだろうか。
王子様に愛される物語を百本読み、美女に囲まれる物語を百本読めば、「普通の相手」が以前より普通以下に見えてしまうことだってあるかもしれない。
あの少女が告白されて泣いたという話を聞いたとき、私は少し怖くなった。
もちろん、彼女の涙そのものではない。
人間が昔から抱えている欲望に、物語という強力な増幅器を向け続けた結果、「現実の人間では物足りない」という価値観まで育ててしまったのだとしたら――出版文化も、なかなか罪深い商売である。
◇◇余談◇◇
私が若い頃から、女性が結婚したければ「女性向けの小説は読むな」と諭している本は結構あったと思う。
しかし、なんか今のネット小説系の威力は、それを超える凄いパワーな気がするのである ( ˘ω˘ )
さらに言えば、常に他人との優劣を比較される現代社会の観念も後押ししているのかもしれないですね……><。
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