笑顔と挨拶
コンビニのアルバイトを始めて一週間が経った。
やっとそれなりに動けるようになってきた……はずだけど
失敗ばかりの日々に気持ちが沈んでいた。
この間は、お寿司を買ったお客さんに
「温めますか?」
と聞いてしまったり
おでんをトングでうまく掴めなくて
何度もつゆの中に落としてしまったり
品出しもすごく遅くて……きっと呆れられてるに違いない。
ああ……これはきっと……クビだ。
そろそろ終業時間になる頃
店長に呼ばれた。
ついに来てしまったか、この時が。
私は大きく息を吐いて気持ちを落ち着かせ、店長のところに行った。
「毎日よく頑張ってるね! 仕事は慣れた?」
あれ?
店長すごく笑顔だ。
「あ、はい。だいぶ慣れました……けど……」
「けど?」
「私、いつも失敗ばかりで皆さんに迷惑かけて……本当にすみません」
私は店長の顔が見れなくて思いっきり頭を下げた。
「いやいや……そうやって覚えていくものだから。むしろ失敗した方がいいんだよ。それに……」
──?
「君はいつも笑顔で、挨拶が気持ちいい! そういう子はなかなかいないから貴重な存在だよ。これからも宜しくね!」
私は家に帰ってからも店長が言った言葉が嬉しくて
思い出すたびに頬が緩んだ。
いつも笑顔だって。
挨拶が気持ちいいって。
ふふ。
翌日。
新たな気持ちでお店に立った。
聞こえてくる入店音。
「いらっしゃいませ! こんにちは!」
とびきりの笑顔で今日もスタートだ。




