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曹操パーティー追放ざまぁ。ウチはもう加護なんていらん

 ウチ、アイル。

 過去にタイムリープした女。

 これは……曹操そうそうのパーティーから追い出された日の話や。



 戦いが終わり、戦利品の宝箱を開けた。

 中は金貨と希少な武具でぎっしり。


 酒場の長テーブルには、ローストチキン、香草バターのステーキ、山盛りのパン――勝利の宴そのものの光景が並んどる。


「さて、分配だが……アイル、お前にはこれだ」


 曹操が差し出したのは銅貨が数枚。


「こっちから願い下げや! クソボケっ!」


 ウチがテーブルをひっ叩くと、周囲の視線が一斉に集まった。


「なっ……!」


 曹操は言葉を失う。


「お前がパーティーにいると、我らの名声に傷がつく」


 戦士の目が冷たく光る。


「この酒場から生きて出られると思うなよ」


 ウチがオーラを出すと、その場の空気が引き締まる。

 戦士の顔が青ざめ、震えが走る。


「いちいち口出すな、荷物持ちは黙っとけ」


 魔法使いは小声で挑発する。


「黙っとけ。お前の魔力、ゴミ以下やろ」


 ウチの視線が魔法使いを捉えると、彼は縮こまった。


「回復も攻撃もできない者など、護衛ごえいする手間ばかり増える」


 僧侶は吐き捨てるように言った。


「二度とその口、きけんようにしたろか?」


 ウチが僧侶の魔力を封じる。

 僧侶は混乱に沈み、呪文は空を切った。


 曹操が立ち上がるが、全身汗まみれで落ち着きがない。


「まぁまぁ、仲良くしよう」


 ウチは拳を握った。


終断覇界エンドブレイク


 ――あらゆる関係を断ち切る、最終拒絶のスキル。


 ドオォン!


 酒場が吹き飛び、木のはりが砕け散る。

 煙と粉塵ふんじんの中で曹操たちは黒焦げになり、裸でよろめいた。


 生きとるけど、HPは1くらいやろな。


(曹操にざまぁができた。ここまでは計算通りや……!)


 周囲を見渡すと、黄金の光をまとった女神が立っとる。


「な……何ということ…! その力、まさかあなたが発動させたの!?」


 ウチは言い放つ。


「そうや。全ての異世界を滅ぼすと同時に、ウチを依り代にしてその腐りきった魂を復活させるんやろ!  その野望を打ち砕くために、ここに来たんや」


 女神の瞳が鋭くなる。

 世界の歯車が、大きく動き始めた。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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