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永遠のデリート:チートスキルの罠
ウチ、アイル。
えらいこっちゃ。
意識が沈む、データの海。
暗闇の中、怨念が聞こえる。
「お前なんて、生まれてこなければ良かった」
「俺たちは全てを奪われた」
「世界を返せ」
ウチが絶望に飲み込まれた瞬間、光が差し込んだ。
リルヴァナ?
「いいか、アイル。よく聞け。お前のスキルはな、単純に時間を巻き戻しても、永遠に異世界デリートを繰り返すチート級だ」
な、なんやて!
「落ち着け。『終焉共鳴』は、世界のデータそのものに刻まれた呪いだ。だから、お前の精神が弱まれば、何度世界をやり直しても、また崩壊する」
「創世神のスキルで、時間を巻き戻す。これが最後のチャンスだ」
「気持ちを強く持って、女神の意志に打ち勝て! 必ず解除条件が見つかるはずだ」
リルヴァナの声が途切れると同時に、ウチの意識は急加速した。
(また世界を壊すとか、そんな黒歴史、絶対作らへん!)
光がウチを包み込み、過去へと跳躍した。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!




