モザイク連合、絶叫! プライドは地に落ち、戦場に香るコーン
ウチ、アイル。
心はボロボロや。
戦場に充満するバター醤油の香り。
孔明が、背後からトウモロコシをかじりながら指示を出す。
「アイル! 張角の陣まで突っ切れ! 焦げ付きは戦意を鈍らせるぞ!」
「あんた、なんで戦場でトウモロコシ食っとんねん!」
リルヴァナの加護のおかげで、空のスクリーンは「自主規制」の黄金のモザイクで埋め尽くされている。しかし、映像そのものは、ウチの黒歴史ライブ配信中だ。
画面の端には、視聴数とコメントが爆速で流れている。
「え、モザイクでかいw」
「これ、全裸巨大化のログでしょ?w」
「このモザイク、神かよ」
心臓がえぐられそうや。
曹操が、敵兵を蹴散らしながら、ふいに空を見上げた。
「くそっ、今度は我のターンか!」
スクリーンのモザイクの向こうから、ノーパンで爆笑する曹操の姿が一瞬だけ垣間見えた。
「あああああ! 誰か! 誰かこの配信を止めろ! 政治生命がァァ!」
彼の絶叫が戦場に響き渡る。
曹操軍の兵士たちが、ドン引きしている。
袁紹は、優雅な剣さばきで敵を薙ぎ払うが、顔は青い。
「ふざけるな! この朕が、醜態を晒すなど……! わ、わしの、わしの“盆栽と写る黒歴史写真”が流れるだと!?」
気取ったポーズをとって、盆栽を愛でるだけの映像。
だが、それが彼の弱点らしい。
普段のプライドが高すぎるだけに、その落差が兵士たちにとって致命的な笑いを誘っていた。
呂布は、赤兎馬の上で叫んだ。
「モザイクは! モザイクは最後まで貫け! もし、もし『アイドルのファンサ中に赤兎馬が粗相したログ』が流れたら、俺は天下無双を辞める!」
彼らは、自分の恥辱の映像が流れるたびに、戦闘能力が目に見えて落ちていく。
そんな中、趙雲だけはテンションがおかしかった。
「見てください、アイル! 視聴率が上がり続けています! この人気、コンパの集客に使えるッ! 『黒歴史配信で共闘した英雄たちとのコンパ!』 これは売れるぞ!」
彼は戦いの最中に、スマホで新しいイベント企画書を作成していた。
関羽は、敵兵を切り伏せながら、ウチにだけ聞こえる声で呟いた。
「恥を恥と思うな。その向こう側に、『愛欲の聖痕』がある。お前の“全裸モザイク巨大化”は、その境地に達しておる」
なんでやねん!
ウチのプレイスタイルは、いたってノーマルや。
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