表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

88/168

モザイク連合、絶叫! プライドは地に落ち、戦場に香るコーン

 ウチ、アイル。

 心はボロボロや。

 戦場に充満するバター醤油じょうゆの香り。


 孔明が、背後からトウモロコシをかじりながら指示を出す。


「アイル! 張角ちょうかくの陣まで突っ切れ! 焦げ付きは戦意を鈍らせるぞ!」


「あんた、なんで戦場でトウモロコシ食っとんねん!」


 リルヴァナの加護かごのおかげで、空のスクリーンは「自主規制」の黄金のモザイクで埋め尽くされている。しかし、映像そのものは、ウチの黒歴史ライブ配信中だ。


 画面の端には、視聴数とコメントが爆速で流れている。


「え、モザイクでかいw」

「これ、全裸巨大化のログでしょ?w」

「このモザイク、神かよ」


 心臓がえぐられそうや。


 曹操そうそうが、敵兵を蹴散らしながら、ふいに空を見上げた。


「くそっ、今度は我のターンか!」


 スクリーンのモザイクの向こうから、ノーパンで爆笑する曹操の姿が一瞬だけ垣間見えた。


「あああああ! 誰か! 誰かこの配信を止めろ! 政治生命がァァ!」


 彼の絶叫が戦場に響き渡る。

 曹操軍の兵士たちが、ドン引きしている。


 袁紹えんしょうは、優雅な剣さばきで敵をぎ払うが、顔は青い。


「ふざけるな! このちんが、醜態しゅうたいさらすなど……! わ、わしの、わしの“盆栽ぼんさいと写る黒歴史写真”が流れるだと!?」


 気取ったポーズをとって、盆栽を愛でるだけの映像。

 だが、それが彼の弱点らしい。

 普段のプライドが高すぎるだけに、その落差が兵士たちにとって致命的な笑いを誘っていた。


 呂布りょふは、赤兎馬せきとばの上で叫んだ。


「モザイクは! モザイクは最後まで貫け! もし、もし『アイドルのファンサ中に赤兎馬が粗相そそうしたログ』が流れたら、俺は天下無双を辞める!」


 彼らは、自分の恥辱ちじょくの映像が流れるたびに、戦闘能力が目に見えて落ちていく。


 そんな中、趙雲ちょううんだけはテンションがおかしかった。


「見てください、アイル! 視聴率が上がり続けています! この人気、コンパの集客に使えるッ! 『黒歴史配信で共闘した英雄たちとのコンパ!』 これは売れるぞ!」


 彼は戦いの最中に、スマホで新しいイベント企画書を作成していた。


 関羽は、敵兵を切り伏せながら、ウチにだけ聞こえる声で呟いた。


「恥を恥と思うな。その向こう側に、『愛欲あいよく聖痕せいこん』がある。お前の“全裸モザイク巨大化”は、その境地に達しておる」


 なんでやねん!

 ウチのプレイスタイルは、いたってノーマルや。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました!


「面白かった!」「続きが気になる!」と思っていただけた方は、ぜひブックマークや評価で応援していただけると、とても励みになります。


 どうぞよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ