表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

83/148

策士やなぁ、このおっちゃん。玉璽の行方、孫堅にあり。

 ウチ、アイル。

 やっと、元の世界に戻れた。

 しょく成都せいと



 孔明がニヤニヤしとる。


「ご無事で何より」


 いやいや、ホンマに笑いごとちゃうで。

 全裸で大怪獣にされて、最後はモザイク付きで吐き出されたんやぞ。


 あの屈辱くつじょく、忘れへんわ。



「アイルが未来の地球を救えて、安心じゃ」


 玄徳げんとく盆栽ぼんさいに水をやる。

 平和そのものの光景や。



 張飛ちょうひはウズウズしとるみたい。


「あぁ、俺も戦いたい、なぁ兄貴」


 関羽かんうは静かに微笑んだ。


 胸の前で指を組み、一つのポーズを完成させる。

 両手には、エフェクトがかかっとる。


「我、日々戦いにあり。このポーズは『無明むみょう極彩ごくさい』。修行トレースの果てにある、己の限界突破リミットブレイクじゃ」


 何を言うとんか分からんけど、関羽の真剣な横顔を見とったら、スゴイことしとる気がしてきた。



 趙雲ちょううんは今日のコンパの予定を立てていた。


「えぇ、えぇ、個室の予約を……、ラブメゾン子龍です。はい、子龍が突撃します、可愛いラマンに」


 お前、蜀の武将やろ?

 どこに突撃しとんねん!


 趙雲はサラリと答えた。


「もちろん、愛という名の戦場に、です」



 孔明によると、小喬しょうきょうは呂布に依頼をしただけらしい。


 彼女の所属事務所は悪行がさらされて、世間からフルボッコ。

 スポンサーからの多額の違約金が決め手となり、あっけなく倒産したようだ。


 小喬は世間の同情を集めて、独立を果たした。


 グッズはバカ売れ。

 クラウドファンディングでウハウハしとる。



 呂布りょふ曹操そうそうの仲は悪いが、実際はよう分からん。



 そういえば、孔明が袁紹えんしょうを逃がしたらしい。

 せっかく捕らえたのに、そんなんでええんか?


丞相じょうしょう、急報です」

「何事だ」

玉璽ぎょくじの行方が分かりました。孫堅そんけんです」

「誠か。袁紹を泳がせた甲斐かいがあった」


 孔明が天を仰ぎ、ニヤリと笑う。


 なんや、そういうことやったんか。

 策士やなぁ、このおっちゃん。



 ……まぁええわ。

 ウチには関係あらへん。


 もう、寝るで。

 明日は美味しい肉まんが食べたいわ。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ