全裸確定ガチャ! 大怪獣襲来! 「見とけや、人類ッ!!」
ウチ、アイル。
もうアカンかもしれん。
南蛮王・孟獲の率いる亜人部隊が大声で吠えた。
「人間だ、喰らうぞ!」
「今宵は宴だ、盛り上がるで!」
「酒と肉があれば万事おっけーや!」
ウチの“秘密”が晒された今、コイツらに残された選択肢は一つ──全滅だけや。
「これは命がけの静止画や言うてるやろ!」
動けへん身体に怒りの闘気を込める。
全身の筋肉がビリビリと痺れ、股関節は限界。
この体勢をどうにか崩さなあかん。
ウチは、血走った虎たちの眼前で、屈辱のスクワットポーズを維持したまま、スマホを宙へ放り投げた。
光の帯がスマホを包み込み、画面から文字が飛び出す。
『千年加護』
ランダムで選ばれたスキルは──大怪獣 《グランドギガンデス》!
「え、ちょ、それ変身系やん!? なんでこのタイミングで全身タイツにならなあかんねん!」
身体がグググ、と音を立ててうねり、視界が伸びる。
装備は次々に引き裂かれ、ボロボロと消えていく。
「うわあああ! タイツまで消えた! パンツまで! 全人類、目を閉じろや!」
その異様な光景に、さすがの孟獲も目を剥いた。
「おのれ、妖術か…!? 惑わされるな!」
孟獲が《アニマルソング》で士気を高めた。
猛虎族が《タイガージェット》を唱えると、炎のオーラが噴き出し、地面を焦がした。
竜騎族が《ドラゴンソウル》で、無限斬撃の構えを取る。
変身が解ければ、服はほぼ残らへんやろう。
前世の仲間たちに笑われる未来が見えるけど、それはまあ、後の話や!
ウチは──恥と怒りで真っ赤になりながら、巨大な怪獣の咆哮に混ぜて叫んだ。
「ほな、宴や! 見せたるで、グランドギガンデスの本気!」
──場は大混乱へ。
屈辱スクワット体勢から解き放たれた大怪獣が、南蛮のジャングルを揺らした。
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